瓦屋根は自分で修理できる?DIY作業の注意点を解説!

瓦屋根は自分で修理できる?DIY作業の注意点を解説!

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瓦屋根は、日本の伝統的な住宅に多く使われており、美しい外観と高い耐久性を誇ります。

しかし、台風や地震の影響で瓦がズレたり割れたりすることがあり、「自分で修理できるのでは?」と考える方も多いのではないでしょうか。

実際、瓦のズレ直しや小規模な補修であればDIYで対応可能ですが、大規模な修理や雨漏りの修繕は専門業者に依頼する方が安全です。

高所作業にはリスクが伴うため、適切な知識と安全対策が不可欠となります。

本記事では、自分で修理できる範囲・具体的な修理方法・DIYの注意点を詳しく解説します。

瓦屋根の補修を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

株式会社ライフ総建 取締役

佐藤 勇太

さとう ゆうた

プロフィール

塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。

瓦屋根を自分で修理できる範囲は?

瓦屋根の修理はすべてのケースでDIYが可能なわけではありませんが、軽微な補修であれば自分で対応することもできます。

例えば、瓦のズレ直しや部分的な補修は、適切な手順を踏めばDIYでも比較的安全に行えます。

しかし、修理の範囲を誤ると屋根全体の耐久性に影響を与える可能性があるため、どこまでが自分で対応できるのかを正しく理解することが大切です。

ここでは、DIYで修理できる範囲と具体的な作業内容を解説します。

簡単な瓦のズレ直しや割れた瓦の交換

瓦のズレ直しや割れた瓦の交換は、構造自体に影響を与えず部分的な補修が可能なため、DIYでも対応しやすい作業です。

瓦は一枚ずつ独立して配置されており、ズレを直すだけなら周囲の瓦を持ち上げて元に戻すだけで済みます。

また、割れた瓦も特定の箇所のみ交換できるため、下地に問題がなければ専門的な技術がなくても対応可能です。

ただし、広範囲の瓦がズレていたり、下地が傷んでいる場合は専門業者の点検が必要になります。

少量の漆喰補修

漆喰の補修は、表面のひび割れや部分的な剥がれ程度なら、特別な技術がなくても修理が可能なためDIY作業が可能です。

漆喰は塗るだけで接着する性質があるため、既存の漆喰を少し削り、新しい漆喰を塗るだけで修復できます。

また、市販の漆喰材を使えば扱いやすく、比較的短時間で作業が完了する点もDIYに適している理由です。

ただし、大規模な剥がれや棟瓦の歪みがある場合は専門の技術が必要になるため、業者に依頼するのが安全です。

簡易的なコーキング補修

コーキング補修は、瓦のひび割れや小さな隙間を埋めるだけの作業で専用のコーキング材を塗るだけで済むため、DIYでも容易に対応できます。

ホームセンターで手に入るコーキング材を使えば、防水性を向上させることができて応急処置としても効果的です。

また、特別な工具を必要とせず、短時間で施工できる点もDIY向きの作業といえます。

ただし、あくまで一時的な補修方法であり、長期間放置すると劣化が進むため、早めに瓦の交換や本格的な修理を検討する必要があります。

瓦屋根を自分で修理しない方が良いケース

瓦屋根の補修には高所作業が伴い、間違った施工をすると雨漏りの原因になってしまうこともあります。

特に広範囲の損傷や雨漏りが発生している場合は、DIYでは対応が難しく専門業者に依頼する方が安全です。

また、修理費用を抑えようとDIYで無理に修理すると、逆に大きなトラブルを招くこともあります。

ここでは、自分で修理しない方が良いケースとその理由について詳しく説明します。

広範囲の補修・修理

瓦屋根の補修が広範囲に及ぶ場合、DIYでは対応が難しく、専門業者に依頼するのが適切です。

瓦のズレや割れが多数発生している場合、単に瓦を戻したり交換するだけでは不十分で防水シートや下地の確認・補修が必要になります。

また、大規模な補修には適切な施工技術が必要で、誤った処置をすると雨漏りの原因になることもあります。

安全面や耐久性を考えると、広範囲の修理はプロに任せる方が安心です。

雨漏りが発生している

雨漏りが発生している場合、単に瓦を修理するだけでは解決しない可能性が高く、専門的な診断と適切な補修が必要です。

雨水は瓦の下にある防水シートや下地を通過し屋内に侵入するため、目に見える部分だけを補修しても根本的な解決にはなりません。

さらに放置すると建物内部の劣化が進み、修理費用も増大する恐れがあります。

原因を特定し適切に対処するためにも、雨漏り修理は専門業者に依頼することが大切です。

プロに依頼した場合の屋根瓦の修理費用相場

瓦屋根の修理費用は、修理の規模や内容によって大きく異なります。

例えば、瓦の交換・差し替えなら5万円〜15万円程度ですが、広範囲の修理や雨漏り補修になると100万円〜300万円かかることもあります。

また、漆喰の補修は部分補修で20万円〜50万円、棟瓦の積み直しになると15万円〜50万円ほどの費用が必要です。

費用を抑えるためには、複数の業者に見積もりを依頼して適正価格を確認することが大切です。

瓦屋根を自分で修理する方法

瓦屋根の修理にはいくつかの方法がありますが、DIYで対応できるのは、瓦のズレを直す・割れた瓦を交換する・漆喰を補修するといった作業に限られます。

適切な工具や材料を使い、正しい手順で行えば、これらの修理は比較的簡単にできます。

しかし、作業を誤ると屋根全体の耐久性に影響を与える可能性があるため、慎重に進めることが重要です。

ここでは、具体的な修理手順を分かりやすく解説します。

瓦のズレを直す方法

瓦のズレは台風や地震の影響で発生しやすいですが、適切な手順で元の位置に戻すことで修復可能です。

まず、作業前に安全対策を徹底して瓦の上を慎重に移動します。

ズレた瓦を確認し、隣接する瓦を少し持ち上げながら元の位置に戻しましょう。

この際に無理に押し込むと割れる可能性があるため、慎重に調整しながら作業することが重要です。

また、ズレの原因が屋根の下地や他の要因である場合は、根本的な修理が必要となるため、業者に点検を依頼することをおすすめします。

割れた瓦の交換方法

割れた瓦をそのままにしておくと、雨水が侵入して雨漏りの原因になります。

交換作業は比較的シンプルですが、慎重な取り扱いが必要です。

まず、割れた瓦を取り外て新しい瓦を適切に設置します。

この際、周囲の瓦とのかみ合わせを確認し、しっかりとフィットさせましょう。

差し替えの場合は釘留めができないので、必要に応じて接着剤やコーキング材を使用して固定します。

ただし、割れが多数ある場合や下地が損傷している場合は、業者に相談し、適切な補修を検討することが重要です。

漆喰の補修方法

漆喰は瓦の固定や防水の役割を果たしますが、劣化すると剥がれやすく、早めの補修が必要です。

まず、劣化した漆喰をヘラなどで丁寧に取り除きます。

その後、新しい漆喰を塗布し、しっかりと密着させるようになじませます。

乾燥時間を確保し、雨が降る前に完全に固まるようにすることが重要です。

少量の補修であればDIYでも可能ですが、棟瓦全体の補修が必要な場合は専門業者に依頼し、耐久性のある施工をしてもらうのが安心です。

瓦屋根を自分で修理する際の注意点

瓦屋根のDIY修理は、適切な手順を守れば可能ですが、高所作業には大きなリスクが伴います。

特に転落事故を防ぐための安全対策や、瓦の取り扱いに関する注意点をしっかり押さえておくことが大切です。

また、屋根修理を狙った悪質な飛び込み営業にも注意が必要です。

ここでは、瓦屋根を自分で修理する際に気をつけるべきポイントを詳しく解説します。

高所作業の安全対策を徹底する(転落防止・複数人作業)

瓦屋根の修理は高所作業になるため、転落事故を防ぐための安全対策が必須です。

まず、作業時は滑りにくい靴や安全帯を着用し、命綱を設置して転落を防ぎます。

また、はしごは安定した場所に固定し、登る際は慎重に行動しましょう。

また、できるだけ2人以上で作業し、一人での修理は避けることが重要です。

万が一の事故に備え、家族や知人に作業を知らせておくとより安全です。

瓦屋根を自分で修理する際には、無理をせず安全を最優先に作業を進めましょう。

瓦の踏む位置や歩き方にも注意する

瓦屋根の上を歩く際には、瓦の踏み方に注意しないと、破損や転倒のリスクが高まります。

瓦の端や角は割れやすいため、できるだけ中央部分を踏むようにしましょう。

また、足の裏全体で体重を分散させ、慎重に移動することが大切です。

急な動きや飛び乗るような行動は避け、安定した姿勢で作業を行いましょう。

瓦を破損させると修理箇所が増えてしまうため、事前に歩くルートを考えながら作業を進めることが重要です。

屋根修理の飛び込み営業には注意する

屋根修理を狙った飛び込み営業には、悪質な業者も多いため慎重に対応することが大切です。

「無料点検」と称して不安を煽り、高額な修理を勧めるケースも少なくありません。

その場で契約を迫る業者には応じず、まずは相見積もりを取り、適正な価格を確認しましょう。

訪問営業を受けた際は、業者の実績や口コミを調べ、信頼できる会社かどうかを見極めることが重要です。

焦らず冷静に対応し、必要に応じて公的機関にも相談しましょう。

参考:屋根工事の点検商法のトラブルが増えています-典型的な勧誘トークを知っておくことで防げます!-

まとめ:瓦屋根を自分で修理できる範囲は限定的

この記事のまとめ!

  • DIYで修理できるのは、軽微な瓦のズレ直しや簡単な補修に限られる
  • 雨漏りや広範囲の修理は業者に依頼するのが安全
  • 高所作業のリスクを理解し、無理のない範囲で対応することが大切!

瓦屋根のDIY修理を検討する際は、安全を最優先に考え、必要に応じてプロの力を借りましょう。