ウレタン防水の下地にカチオンは必要?役割やメリット、施工手順まで徹底解説!

ウレタン防水の下地にカチオンは必要?役割やメリット、施工手順まで徹底解説!

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ウレタン防水は、柔軟性・耐久性に優れた防水工法として、屋上やバルコニーをはじめ多くの現場で採用されています。

しかし、その性能を十分に発揮させるためには「下地処理」が欠かせません。

中でも注目されているのが、密着性と施工性に優れた「カチオン系樹脂モルタル(カチオンフィラー)」の使用です。

この記事では、ウレタン防水の下地におけるカチオンの役割や使うべき理由、施工手順からおすすめ製品までを詳しく解説します。

下地処理に不安がある方や防水の仕上がりにこだわりたい方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

株式会社ライフ総建 取締役

佐藤 勇太

さとう ゆうた

プロフィール

塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。

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ウレタン防水の下地で使用するカチオンフィラーとは?

ウレタン防水を長持ちさせるには、下地処理が重要です。

その下地処理において多くプロの現場で活用されているのが「カチオンフィラー」です。

この章では、カチオン系樹脂モルタルの基本的な性質や、なぜウレタン防水の下地に使われるのかといった背景について詳しく解説します。

まずはカチオンフィラーとは何かを理解することから始めましょう。

カチオン系樹脂モルタルとは?

カチオン系樹脂モルタルとは、セメントにカチオン(陽イオン)系の高分子樹脂を配合した下地調整材です。

一般的なモルタルと比較して付着力が高く、特にコンクリート面や旧塗膜面への密着性に優れています。

水分を吸収しにくく、施工後の硬化収縮やクラックの発生も抑えられるため、ウレタン防水の下地材として最適です。

表面を平滑に整える効果もあるため、防水層の仕上がりを美しく保つうえで欠かせない材料といえるでしょう。

新築・改修を問わず、多くの現場で活用されています。

ウレタン防水の下地調整が重要な理由

ウレタン防水は、液状の材料を塗り広げて防水層を形成するため、下地の状態がそのまま仕上がりに反映されます。

下地に凹凸や脆弱部があると塗膜に厚みのムラが生じたり、ピンホールが発生したりして、防水性能が大きく損なわれる可能性があります。

また、付着不良によって施工後しばらくして膨れや剥がれが起きることも。

これらのトラブルを防ぐためには、事前の下地調整が必要不可欠です。

改修現場や経年劣化したコンクリート面では、丁寧な補修と下地処理が防水工事の成否を左右します。

ウレタン防水の下地としてカチオンを使うメリット

防水層の膨れや剥がれといったトラブルは、下地との密着不良が原因で起こることが少なくありません。

そうした問題を防ぐために効果的なのが、カチオンの使用です。

この章では、ウレタン防水とカチオンの相性の良さに注目しつつ、密着性の向上や下地調整材としての利点など、カチオンを使うことで得られる具体的なメリットを紹介します。

密着性が向上する

ウレタン防水の施工で最も重要なポイントのひとつが、下地との密着性です。

密着不良があると、防水層が浮いたり膨れたりして、雨水の浸入を招くおそれがあります。

カチオン系樹脂モルタルは、一般的なセメント系材料よりもはるかに強い接着力を持っており、特に吸水性のあるコンクリートや劣化した旧塗膜の上でも安定した密着性を発揮します。

これにより防水層との一体化が図られ、剥がれや膨れといったトラブルのリスクを大きく低減できます。

密着工法のウレタン防水においては、下地の信頼性を高める素材として、カチオンの使用が非常に効果的です。

下地調整も可能

カチオン系樹脂モルタルは、接着力に優れるだけでなく、モルタルとしての「充填・整形性能」にも優れています。

細かい凹凸やクラック、不陸がある下地でも、カチオンを使用すれば平滑で均一な面を形成でき、ウレタン防水の塗膜厚を安定させることが可能です。

また、通常のセメントモルタルと異なり乾燥時の収縮が少ないため、ひび割れのリスクも抑えられます。

1〜2mm程度の薄塗りでも効果があり、部分補修にも対応できるため、新設・改修問わず幅広い現場で採用されています。

下地調整材と密着材を兼ね備えた多機能な材料として、非常に実用的です。

ウレタン防水の下地にカチオンを施工する手順

実際にカチオンを使った下地処理を行うには、正しい手順と注意点を押さえておく必要があります。

この章では、ウレタン防水の下地にカチオンを使用する際の基本的な施工ステップを、「素地調整」「練り混ぜ・塗布」「乾燥・硬化養生」の3段階に分けて詳しく解説します。

1.素地調整

ウレタン防水前の下地処理で最初に行うのが「素地調整」です。

これは施工面に付着しているホコリ、油分、脆弱な部分、旧塗膜の剥がれなどを除去し、カチオンや防水材がしっかりと付着する環境を整える工程です。

高圧洗浄やワイヤーブラシ、チッピングなどの方法で下地を清掃し、浮きやクラックがある箇所は必要に応じて補修します。

水分を多く含んだ状態では施工後の膨れや剥がれの原因になるため、作業前には十分な乾燥確認も欠かせません。

素地調整は防水工事の基礎となる工程であり、この段階の精度が仕上がりや耐久性に大きく影響します。

2.カチオンモルタルの練り混ぜ・塗布

下地が整ったら、次はカチオンモルタルを練り混ぜて塗布します。

製品によって水との混合比や練り時間は異なるため、必ずメーカーの仕様書を確認して正確に配合することが重要です。

練り混ぜにはミキサーを用い、ダマが残らないように均一なペースト状に仕上げます。

塗布には金コテやローラーなどを使い、1〜2mm程度の厚みで下地全体に均一に広げます。

凹凸の多い箇所や段差部分は、厚塗りにならないよう注意しながら複数回に分けて施工するのが理想です。

塗布後の表面が平滑に整っていれば、ウレタン防水材の塗りムラやピンホールも防ぎやすくなります。

3.乾燥・硬化養生

カチオンモルタルを塗布した後は、十分な乾燥と硬化養生が必要です。

施工直後に防水材を塗布すると、未硬化による密着不良や膨れが起きる可能性があります。

また、養生中に雨が降ると施工不良の原因になるため、天候にも注意が必要です。

完全に乾燥した状態では表面にベタつきがなく、指で触れてもしっかり硬化しているのが確認できます。

この確認を怠ると、防水層の施工後に深刻な不具合が生じるおそれがあります。

ウレタン防水の下地に相性が良いカチオン製品

ひとくちにカチオンフィラーといっても、各メーカーからさまざまな製品が販売されており、用途や性能も異なります。

ウレタン防水の下地処理として使用するなら、相性の良い製品を選ぶことが大切です。

この章では、現場での採用実績が高い代表的なカチオン製品を3つピックアップし、それぞれの特徴や適した施工条件について紹介します。

NTカチオンフィラー(日本特殊塗料)

NTカチオンフィラーは、セメントとポリマーを複合した陽イオン性の下地調整材です。

優れた接着性と耐溶剤性を持ち、適度な流動性により施工性も良好です。

主に塗り床材や防水材の下地調整に使用され、工場や倉庫、開放廊下などの床面に適しています。

NTカチオンエース(日本特殊塗料)

NTカチオンエースは、各種下地に対して優れた接着性を発揮する下地調整材です。

作業性に優れ、環境にも配慮された製品で、JISA6916の下地調整塗材C-1、C-2に認証されています。

内外装壁面、天井、コンクリート、モルタル、ブロック、PC板、ALC板、既存タイル施工面など、幅広い用途に対応します。

カチオンタイトF

カチオンタイトFは、コテ塗り用に配合されたセメント系カチオン性SBR樹脂モルタルの下地調整材です。

建築から土木に至るまで広範囲な下地に対して高い接着力を示し、曲げ強度、耐摩耗性、防水性、防錆性に優れています。

爆裂・欠損補修やコンクリートの中性化抑制にも効果的で、セット化されているため調合ミスがなく、特性が安定しており作業性も抜群です。

まとめ:ウレタン防水の下地にはカチオンを使用しよう!

この記事のまとめ!

  • ウレタン防水の下地処理としてのカチオン使用が効果的
  • カチオン系樹脂モルタルは密着性・平滑性に優れ、下地調整と補修の両方に対応
  • 正しい施工手順を守ることが大切
  • 適切なカチオン選定と施工で防水層の耐久性と美観性が大きく向上する

ウレタン防水の耐久性を高めるには、下地処理としてカチオン系樹脂モルタルの使用が非常に効果的です。

密着性や平滑性に優れ、不陸補修にも対応できるため、施工品質の向上につながります。

正しい施工手順と製品選びを徹底することで、防水層のトラブルを未然に防ぐことができます。

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