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ウレタン防水は、複雑な形状にも柔軟に対応できることから、多くの建物で採用されている防水工法の一つです。
しかし、施工の際に注意しなければならないのが「乾燥時間」です。
乾燥が不十分なまま次の工程に進めてしまうと、密着不良や膨れなどの重大な不具合が発生する可能性があります。
この記事では、ウレタン防水の各工程における乾燥時間の目安や、乾燥に影響する要因、乾燥不良が引き起こすトラブルなどを詳しく解説します。
正しい施工と仕上がりを実現するためにも、ぜひ最後までご覧ください。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
ウレタン防水は、主剤やトップコートなど複数の工程で構成されており、それぞれに適切な乾燥時間が求められます。
乾燥が不十分なまま次の作業に進むと、施工不良の原因になるため注意が必要です。
この章では、工程別の乾燥時間の目安や、表面乾燥と完全硬化の違い、歩行や重ね塗りが可能になるタイミングなど、施工現場で役立つ実用的な情報を詳しく解説します。
ウレタン防水の施工には、プライマー塗布、主剤の1層目・2層目、トップコート塗布という複数の工程があり、それぞれに適切な乾燥時間が必要です。
一般的にプライマーは1〜2時間、主剤の初期硬化時間は24時間程度です。
トップコートは3〜6時間で表面が乾き、24時間程度で軽歩行が可能になります。
ただし、これらの時間は気温や湿度、施工環境によって大きく左右されるため、実際の作業では製品メーカーの仕様書を確認することが重要です。
乾燥時間を正しく見極めないと、層間剥離や膨れなどの不具合につながる恐れがあります。
ウレタン防水には「表面乾燥」と「完全硬化」という2つの異なる乾燥段階があります。
表面乾燥とは、塗膜の表面が指で触れても付かない状態で、次の層を塗る目安となるものです。
一方、完全硬化とは塗膜が内部までしっかり固まり、機能的に安定した状態を指します。
多くの製品では表面乾燥は数時間で到達しますが、完全硬化には24~72時間かかるのが一般的です。
適切な乾燥段階を見極めることが、防水性能を最大限に発揮させるうえで欠かせません。
ウレタン防水の施工後、どのタイミングで次の作業や歩行が可能になるかは、乾燥の進行状況に大きく依存します。
一般的には、トップコートの塗布後24時間ほどで軽歩行が可能とされています。
一方、重ね塗りは前の塗膜が表面乾燥してから行うのが鉄則です。
まだベタつきが残るうちに次の層を塗ると、密着不良や膨れ、はがれの原因になるため注意が必要です。
現場での作業を円滑に進めるためには、各工程ごとの「安全な待ち時間」を確保し、気象条件に応じた判断を行うことが重要です。
乾燥時間は一定ではなく、気象条件や施工環境によって大きく変わります。
気温や湿度、塗膜の厚み、下地の状態といった要素は、乾燥の進行に大きく関係してきます。
この章では、ウレタン防水の乾燥時間に影響を与える主な要因を取り上げ、それぞれの特徴や注意点について解説します。
ウレタン防水の乾燥時間にもっとも大きく影響するのが、気温と湿度です。
気温が高ければ乾燥は早まり、低ければ反対に乾燥が遅れます。
なかでも5℃以下では硬化反応が進まず施工不良につながる恐れがあるため、多くのメーカーが施工を避けるよう指示しています。
また、湿度が高すぎると表面が白化したり、ベタつきが残ったりするケースもあります。
理想的なのは、気温15〜25℃程度の環境です。
梅雨時期や冬場は、気象条件を事前に把握し、無理な施工を避けることが重要です。
気象状況に応じて、乾燥時間を多めに確保するなどの配慮がトラブルを未然に防ぐポイントとなります。
ウレタン防水は所定の厚みを確保することで十分な防水性能を発揮しますが、厚く塗るほど乾燥には時間がかかります。
製品ごとに1回の塗布量には上限が設定されており、これを超えて厚塗りしてしまうと、内部まで硬化が進まずベタつきや膨れの原因になります。
とくに2層目の施工では、1層目が十分に乾いていない状態で重ね塗りすると、層間剥離のリスクも高まります。
均一な厚みを確保しつつ規定の塗布量を守ることが、乾燥不良を防ぎ長期的に安定した防水層を維持するうえで重要です。
下地の状態や通気性も、ウレタン防水の乾燥に大きく影響します。
コンクリートなどの下地に水分が残っていると、塗膜内部で蒸気が発生し膨れや気泡の原因になることがあります。
また、下地が密閉されていて通気性が悪い場合、内部の水分や空気が逃げにくくなり、乾燥に時間がかかるだけでなく、施工不良のリスクも高まります。
こうした場合は、通気緩衝シートの使用や下地の充分な乾燥確認が必要です。
施工前には含水率をチェックし、必要に応じてプライマーや通気緩衝工法を採用するなど、下地に応じた適切な対応が必要です。
防水性能を確保するには、表面だけでなく下地からの対策が欠かせません。
乾燥時間を軽視した施工は、表面のベタつきや気泡、さらには膨れや剥がれといった深刻な不具合を招くおそれがあります。
また、やり直しや工期遅延といったトラブルにもつながりかねません。
この章では、乾燥不足が引き起こす具体的なリスクやトラブルについて詳しく紹介します。
ウレタン防水の乾燥時間を守らないと、硬化不良や表面のベタつきが発生することがあります。
これは塗膜内部の反応が不十分な状態で、次の工程に進んでしまったことが原因です。
表面が乾いたように見えても、内部が固まっていない場合には時間が経ってもベタつきが取れず、ホコリやゴミが付着しやすくなります。
また、トップコートがしっかり密着せず、摩耗や剥がれの原因にもなります。
こうした状態は見た目だけでなく防水性能にも影響を与えるため、非常に注意が必要です。
乾燥状態をしっかり確認せずに作業を急ぐと、かえって品質を損ねる結果につながるため、各工程での養生時間をしっかり確保することが大切です。
乾燥が不十分なままウレタン防水の重ね塗りを行うと、塗膜内部に水分や空気が閉じ込められ、それが膨張することで膨れや気泡が発生することがあります。
また、前の層が硬化していないと新たな層との密着が弱くなり、層間剥離や浮きといった密着不良につながります。
こうしたトラブルは施工直後には気づかれにくく、数日〜数週間後に表面の浮きや亀裂として現れるため、後戻りが困難になることが多いです。
防水層に不具合が生じると、本来の防水性能が失われ、建物内部に漏水が発生するリスクも高まります。
トラブルを未然に防ぐには、各層が適切に乾燥・硬化したことを十分に確認した上で作業を進めることが重要です。
乾燥不良によって不具合が生じた場合、多くのケースで再施工が必要になります。
一度施工した防水層を撤去し、下地処理からやり直すには大きな手間とコストがかかるうえ、工期も大幅に延びてしまいます。
建物の引き渡しや他業者との工程が詰まっている現場では、工程全体に影響が及び信頼低下やクレームにつながる可能性もあります。
乾燥時間を省略したことで一時的に作業効率が上がったとしても、結果的に後戻り作業が発生すれば、余計な負担となって返ってきます。
無理なスケジュールで施工を急ぐのではなく、気象条件も考慮した余裕のある工程管理が、品質の確保とトラブル回避の鍵となります。
この記事のまとめ!
- ウレタン防水の乾燥時間は工程ごとに異なる
- 表面乾燥と完全硬化の違いを理解することが重要
- 気温・湿度・塗膜の厚み・下地の状態などが乾燥時間に大きく影響する
- 表面乾燥前に次の工程を進めるとトラブルが発生する
- 適切な乾燥時間を守ることで施工品質を確保する
ウレタン防水の乾燥時間は、工程ごとに異なり、また気温・湿度・塗膜の厚み・下地の状態などさまざまな要因によって左右されます。
表面乾燥と完全硬化の違いを正しく理解し、次の工程に進むタイミングを見極めることが施工品質を保つ上で重要です。
乾燥不良は膨れや剥がれといった不具合を引き起こし、再施工やスケジュールの遅延につながるため、慎重な判断が必要です。
高品質な仕上がりを実現するためにも、適切な乾燥時間を確保した計画的な施工を心がけましょう。
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