合成高分子系ルーフィングシート防水とは?種類や費用相場、注意点まで徹底解説!

合成高分子系ルーフィングシート防水とは?種類や費用相場、注意点まで徹底解説!

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

近年、建物の耐久性や省メンテナンス性への関心が高まる中、「合成高分子系ルーフィングシート防水」が注目を集めています。

塩化ビニル樹脂や加硫ゴム、TPEなどの高分子素材を使用したこの防水工法は、優れた耐久性・柔軟性を備え、屋上やバルコニーを長期にわたって守ることができます。

しかし、防水材には複数の種類や工法が存在し、選定を誤ると早期の劣化や施工不良につながる可能性もあります。

そこで本記事では、合成高分子系ルーフィングシート防水の特徴や種類、施工方法から耐用年数、費用相場、注意点までをわかりやすく解説します。

防水工事を検討中の方はぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

株式会社ライフ総建 取締役

佐藤 勇太

さとう ゆうた

プロフィール

塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。

3分で簡単調査

助成金が活用できるかチェックする

外装リフォームの費用を賢く節約しよう!

合成高分子系ルーフィングシート防水とは?

合成高分子系ルーフィングシート防水とは、塩化ビニル樹脂(PVC)や加硫ゴム(EPDM)、熱可塑性エラストマー(TPE)などの高分子素材で構成された防水シートを用いた工法です。

これらの素材は高い耐候性・耐水性・柔軟性を持ち、屋上やバルコニー、地下構造物などに幅広く使用されています。

工場で均一に製造されたシートを用いるため、施工品質が安定しやすく、継ぎ目の処理によって確実な防水性能を発揮します。

また、施工時に有害物質の発生が少なく、環境負荷の低い防水材としても注目されています。

新築はもちろん、既存防水層の改修にも対応可能で、長期的な信頼性が求められる建築物に適した防水方法のひとつです。

合成高分子系ルーフィングシート防水の種類

合成高分子系ルーフィングシート防水には、素材の違いによっていくつかの種類があります。

代表的なものとしては、塩化ビニル樹脂(PVC)、加硫ゴム(EPDM)、そして熱可塑性エラストマー(TPE)を使用したシートがあります。

それぞれの素材には耐候性、柔軟性、施工性などに違いがあり、建物の用途や施工条件によって最適な種類が異なります。

この章では、各素材の特長や違いを比較しながら、どのような現場に適しているのかをわかりやすく解説します。

塩化ビニル樹脂系シート防水

塩化ビニル樹脂系シート防水(PVC防水)は、耐候性・耐薬品性に優れた素材で、住宅やビル、工場の屋上など多くの現場で採用されています。

熱風溶接による接合が可能で、シート同士の継ぎ目を強固に密着させることができるため、施工後の防水性能が安定します。

また、表面が滑らかで汚れがつきにくく、美観を保ちやすいという特長もあります。

比較的施工がしやすく、材料費もリーズナブルであることから、コストパフォーマンスに優れた防水材として広く普及しています。

加硫ゴム系シート防水

加硫ゴム系シート防水(EPDM防水)は、柔軟性と伸縮性に優れており、構造体の動きに追従しやすい特性を持ちます。

地震や風圧、温度変化の影響を受けやすい建物に適しており、紫外線やオゾンに対しても高い耐久性を発揮します。

一方で、接着剤による施工が基本で、熱溶着ができないため、施工者の技術によって品質が左右されやすい側面もあります。

長寿命でメンテナンス性にも優れており、長期的な耐候性を求める現場におすすめの防水材です。

熱可塑性エラストマー(TPE)系シート防水

TPE系シート防水は、熱で柔らかくなり冷やすと固まる「熱可塑性」を持つエラストマー素材を使った新しい防水材です。

ゴムのような柔軟性と、プラスチックのような加工性を併せ持っており、複雑な形状にも対応しやすいという特長があります。

リサイクル性に優れ、環境負荷が少ないため、環境配慮型建築での使用も増えつつあります。

日本ではまだ普及率が低いものの、欧米では既に一般的な素材として広く使われており、今後の普及が期待される防水材です。

合成高分子系ルーフィングシート防水で代表的な工法

防水シートをどのように施工するかは、防水性能の維持に大きく関わります。

合成高分子系ルーフィングシート防水では、主に「密着工法」と「機械的固定工法(絶縁工法)」の2つが用いられています。

どちらの工法にもメリットと注意点があり、建物の構造や防水層の状態によって適した工法が異なります。

この章では、各工法の仕組みや施工の流れ、選び方のポイントについて詳しく紹介します。

密着工法とは

密着工法は、防水シートを下地に接着剤で直接貼り付けて施工する方法です。

シンプルな構造と比較的短い工期が特徴で、新築や下地が健全な改修工事に適しています。

接着によってシートと下地が一体化するため、歩行性や強度にも優れ、コスト面でも抑えられる傾向にあります。

ただし、下地の湿気やひび割れの影響を受けやすく、施工後に膨れや浮きが発生するリスクもあるため、下地処理や施工管理の精度が必要です。

防水層と建物の一体性を重視する場合に選ばれる工法です。

機械的固定工法とは(絶縁工法)

機械的固定工法は、防水シートを接着せずにアンカーやディスク板などで物理的に固定する工法で、「絶縁工法」とも呼ばれます。

下地と防水層の間に緩衝層を設けることで、下地の動きや湿気の影響を受けにくく、既存防水層の上からの改修にも対応可能です。

下地に劣化や膨れがある場合でも施工できるため、老朽化した建物の改修に非常に有効です。

材料費・施工費はやや高めですが、通気性と耐久性を両立できるため、長期的な性能を求めるケースで選ばれます。

合成高分子系ルーフィングシート防水の耐用年数

防水材を選ぶうえで、どれくらいの期間もつのかという「耐用年数」は非常に重要な要素です。

合成高分子系ルーフィングシートは、他の防水工法に比べて比較的長い耐用年数を誇り、適切なメンテナンスを行えば15〜20年程度の使用が可能です。

ただし、環境条件や施工方法によって劣化のスピードが変わるため、定期的な点検と適切な管理が欠かせません。

この章では、平均的な耐用年数や点検のタイミングなど、長持ちさせるためのポイントを解説します。

平均耐用年数(15〜20年)

合成高分子系ルーフィングシート防水の耐用年数は、一般的に15〜20年程度とされています。

塩化ビニル樹脂系や加硫ゴム系のシートは、紫外線や雨風に強く、適切に施工・維持管理されていれば長期間にわたり防水性能を維持できます。

特に密着工法よりも機械的固定工法を採用することで下地からの影響を抑えられ、より長寿命化が期待されます。

ただし、施工環境や気候条件によっても劣化スピードは変化するため、カタログ上の年数だけでなく、実際の劣化状況を見極めることが重要です。

定期点検のタイミング

防水層を長持ちさせるには、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。

基本的には1年に1回の目視点検を行い、ひび割れ・浮き・シートの剥がれ・排水部の詰まりなどを確認するのが理想です。

また、5年ごとには専門業者による詳細な点検を実施し、接合部や端部の処理状況、シートの劣化具合を精査することが大切です。

加えて、大雨や台風、地震の後などは臨時点検を行い、被害が小さいうちに早期発見・補修を行うことが、防水寿命を延ばすポイントとなります。

合成高分子系ルーフィングシート防水の施工単価と費用相場

合成高分子系ルーフィングシート防水の施工単価は、使用する素材や工法によって異なります。

一般的に塩化ビニル樹脂系シートで密着工法の場合は1㎡あたり約4,500〜6,000円、機械的固定工法では5,500〜7,500円程度が相場です。

加硫ゴム系やTPE系シートは若干高く、6,000円以上になることもあります。

また、工事費用は下地処理、役物処理、足場設置、諸経費などを含めて、30㎡〜50㎡規模の屋上であれば50〜150万円前後になるのが一般的です。

正確な金額を知るには、複数業者からの見積もり取得が重要です。

合成高分子系ルーフィングシート防水を選ぶ際の注意点

高性能で長寿命な合成高分子系ルーフィングシート防水ですが、どの素材・工法を選ぶか、そして誰に施工を任せるかによって結果は大きく変わります。

建物の構造や使用環境に合っていない素材を選ぶと、性能を活かしきれないばかりか、思わぬ劣化やトラブルを招く可能性もあります。

この章では、施工業者の選定、保証内容の確認、建物用途に合わせた素材選びなど、防水工事で後悔しないために押さえておくべき注意点を具体的に解説します。

建物の構造や用途に応じて選定する

合成高分子系ルーフィングシート防水を選ぶ際は、建物の構造や使用目的に合った素材・工法を選定することが重要です。

例えば、屋上に出入りが多い建物では耐摩耗性の高い塩ビシートが適していますし、振動や揺れの多い構造物には柔軟性に優れた加硫ゴム系が有効です。

また、勾配の有無や使用頻度、気候条件なども選定基準になります。

適合しない材料を選んでしまうと、早期の劣化や施工不良につながる可能性があるため、建物の特性を正確に把握した上で判断することが大切です。

信頼できる施工業者を選ぶ

防水工法は高性能な材料を使用していても、施工精度が低ければ本来の効果を発揮できません。

そのため、合成高分子系シート防水の施工に豊富な実績を持つ、信頼できる専門業者の選定が重要です。

施工前には見積書の明細、使用する材料の種類、施工方法の説明が明確であるかを確認しましょう。

また、過去の施工事例や口コミ、保証対応の有無も判断材料になります。

価格だけで選ぶのではなく、確かな技術力と誠実な対応を兼ね備えた業者を選ぶことが大切です。

防水保証の有無も確認する

防水工事を依頼する際は、施工後の保証内容を必ず確認しておきましょう。

一般的に、合成高分子系シート防水には5年〜10年の保証が付くケースが多く、保証期間内であれば漏水や施工不良に対して無償対応が受けられる場合があります。

保証書の発行条件や範囲、定期点検の有無なども契約前に確認しておくと安心です。

万が一のトラブルに備えるためにも、保証制度の整った業者を選ぶことが、長期的な安全とコスト削減につながります。

まとめ:合成高分子系ルーフィングシート防水は優れた防水工法のひとつ

この記事のまとめ!

  • 合成高分子系ルーフィングシート防水は耐久性・施工性に優れている
  • 塩化ビニル樹脂系、加硫ゴム系、熱可塑性エラストマー(TPE)系がある
  • 施工方法は密着工法と機械的固定工法がある
  • 耐用年数は15〜20年が目安

合成高分子系ルーフィングシート防水は、高い耐久性と施工性を備えた信頼性の高い防水工法です。

用途や建物の構造に応じて素材や工法を適切に選定し、信頼できる施工業者に依頼することで、長期間にわたり建物を雨水から守ることができます。

簡単に外装リフォームの費用を抑える方法

外装リフォームはクロスの張り替えのような工事とは違い、足場を設置した大掛かりな工事です。

そのため、リフォーム工事の中でも比較的高額な費用が発生する工事になります。

リフォーム費用を抑えるためには、以下のような方法があります。

  • 複数業者から相見積もりを取得して価格を比較する
  • 国や自治体の補助金・助成金制度を活用する

しかし、ひとくちに業者といっても無数に存在するため、どの業者を選べば良いのか迷っているという方も少なくありません。

そこでおすすめしたいのが『ヌリカエ』というサービスです。

全国の外装リフォーム業者から見積もりを取得できるほか、簡単な質問に答えるだけでお住まいの地域で助成金が活用できるのかを確認することができます。

「どこから手を付けていけばいいのか分からない…」

「あまり手間をかけずに優良業者を探したい…」

このようにお考えの方は、ヌリカエのようなサービスを積極的に活用してみましょう。

助成金もわかる相場算定サイト