屋根工事で足場なしは違法?法律や安全基準から解説

屋根工事で足場なしは違法?法律や安全基準から解説

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屋根工事を検討する際、「足場は本当に必要なのか?」と疑問に思ったことはありませんか。

業者によっては「足場なしでも施工可能」と提案されるケースもあり、コスト削減のためにそのまま進めてしまいそうになるかもしれません。

しかし、屋根工事を足場なしで行うことは、法律に違反する場合が多く、重大な事故やトラブルを招く可能性も伴います。

本記事では、労働安全衛生法をはじめとする法的なルールから、足場を設置しないことで生じる危険性、足場を設けるメリット、さらに例外的に足場が不要とされるケースまでをわかりやすく解説します。

正しい知識を持ち、後悔のない屋根工事を行うために、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の監修者

株式会社ライフ総建 取締役

佐藤 勇太

さとう ゆうた

プロフィール

塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。

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屋根工事で足場なしは違法?

屋根工事を足場なしで行うことは法律上どのように扱われるのでしょうか。

最近では、コスト削減を目的に足場を組まずに工事を行うケースも見受けられますが、労働安全衛生法をはじめとした法律では厳格な基準が設けられています。

本章では、法律の観点から足場なし工事が原則違法とされる理由や、足場設置が義務付けられる基準について詳しく解説します。

労働安全衛生法

屋根工事における足場の設置義務は、労働安全衛生法によって定められています。

具体的には労働安全衛生規則第518条で、高さ2メートル以上の場所で作業を行う場合、墜落防止のために足場などの措置を講じる必要があると規定されています。

一般的な住宅の屋根はこれに該当するため、足場なしの工事は原則として法律違反となります。

業者が「足場なしでも大丈夫」と説明する場合でも、法律上は適切な墜落防止措置を講じなければなりません。

安全を守るためにも、法令の遵守は非常に重要です。

屋根足場の設置基準

屋根工事で足場を設置する際は、ただ組めば良いというわけではありません。

足場は作業員が安全かつ効率よく作業できるよう、十分な強度と広さを確保する必要があります。

屋根の勾配が急な場合(6寸勾配以上)では滑落の可能性が高まるため、屋根足場の設置が実質的に必須となります。

また、足場には手すりや落下防止措置を施し、作業床の幅や高さなども基準を満たすことも大切です。

足場なし工事の危険性

足場なしで屋根工事を行うことは、作業者にとって大きな危険を伴います。

高所での不安定な作業は、わずかなミスでも転落事故につながりかねません。

実際、屋根からの転落は建設業における死亡事故の主な原因のひとつです。

加えて、安全を優先しない工事は、施工精度の低下や資材・工具の落下といった二次的なトラブルも招きます。

これにより、近隣住民への被害や建物自体の損傷リスクも増大します。

足場は単なる法律上の義務ではなく、こうしたリスクを回避するために必要不可欠な存在です。

法律違反時の罰則について

労働安全衛生法に違反して足場を設けず工事を行った場合、事業者には厳しい罰則が科されます。

法律では、違反者に対し6か月以下の懲役または50万円以下の罰金を課すことが可能です。

また、工事中に事故が発生すれば、民事上の賠償責任や死亡事故のような重大な場合は刑事責任を問われることもあります。

法令違反は事業者だけでなく依頼者にとっても重大なリスクであるので、十分な注意が必要です。

屋根工事で足場なしは違法!設置するメリットと必要性

足場を設置することは、法律上の義務であるだけでなく、工事の安全性や品質の確保にも大きく関わります。

無理に足場を省略した結果、思わぬ事故や施工不良につながる恐れもあるため注意が必要です。

この章では、足場を設置することで得られる具体的なメリットと、なぜ必要なのかをわかりやすくご紹介します。

作業効率が向上する

足場を設置することで、作業の効率は飛躍的に向上します。

足元が安定し広い作業スペースが確保されるため、資材の運搬や工具の使用がスムーズになるからです。

足場なしでは作業員が慎重に体勢を維持しながら行う必要があり、作業スピードはどうしても低下します。

また、必要な道具や材料を足場に置くことができるため、何度も昇降する手間が省け、全体の工期短縮にもつながります。

安全と効率を両立させる足場は、屋根工事の質を高めるうえで欠かせない存在です。

安全性が確保できる

足場の最大の役割は、作業員の安全を守ることです。

高所作業では、足元が不安定になるほど転落事故のリスクが高まりますが、足場があれば広い作業床や手すりにより、安定した姿勢で作業ができます。

また、万が一バランスを崩しても、足場があることで致命的な事故を防ぐことが可能です。

工具や資材の落下防止措置も講じられ、作業者だけでなく下を通行する人々への危険も大幅に低減できます。

屋根工事の現場では、安全確保のためにも足場の設置が必要不可欠です。

近隣への配慮ができる

足場を設置することで、工事中の近隣トラブルを未然に防ぐことができます。

塗装や高圧洗浄を伴う屋根工事では、塗料や水が飛散する可能性があり、これが近隣住宅の壁や車に付着することでクレームに発展するケースも少なくありません。

しかし、足場に養生シートを張ることで、これらの飛散を効果的に防止できます。

また、作業員の視線や動きを適度に遮る効果もあり、プライバシー保護の観点からも重要です。

足場は安全だけでなく、近隣への配慮という面でも大切な役割を果たします。

屋根工事の足場なしが違法ではないケースとは

原則として足場の設置が義務付けられている屋根工事ですが、すべてのケースで違法になるわけではありません。

作業場所の高さや形状、作業内容によっては足場なしでも法的に問題ない場合も存在します。

ここでは、例外として足場なしが認められる主なケースについて解説します。

勾配のない陸屋根・屋上での作業

屋根工事でも、すべてのケースで足場が必須というわけではありません。

例えば、勾配がない陸屋根や屋上での作業は墜落の可能性が低いため、足場を設置しないケースもあります。

ただし、完全に安全というわけではなく、屋上の端などから転落する危険は残ります。

そのため、墜落防止のための手すりや安全帯の使用など、他の安全対策が必要です。

足場なしでも違法とならない場合でも、安全管理は十分に行うべきであり、安易な判断は避けることが大切です。

高さが2メートル未満の場合

労働安全衛生規則では、高さが2メートル以上の場所での作業は墜落防止措置が義務付けられています。

逆に言えば、2メートル未満の作業については、原則として足場設置の義務はありません。

ただし、足場が不要というだけで、安全対策が不要になるわけではありません。

床面が滑りやすかったり、バランスを崩しやすい場所での作業では、ヘルメットの着用や転倒防止措置などの工夫が欠かせません。

高さが低くても油断せず、十分な安全配慮を行う必要があります。

梯子や脚立での作業が可能な場合

工事の内容が簡単な補修や点検など短時間の作業であれば、梯子や脚立を利用することで足場を設置せずに済む場合もあります。

ただし、この場合も高さや作業の安定性によっては慎重な判断が必要です。

例えば、脚立の使用は不安定になりやすく長時間の作業には不向きです。

また、2メートル以上の作業であれば、脚立や梯子のみでは法律上不十分と判断される可能性もあります。

安全を最優先し、状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

まとめ:足場なしの屋根工事は原則違法なので注意しよう

この記事のまとめ!

  • 屋根工事における足場なし作業は労働安全衛生法により原則違法
  • 2メートル以上の高所作業では足場設置が義務付けられている
  • 足場は作業効率や安全性、近隣への配慮など多くのメリットがある
  • 条件次第では足場なしでも違法とならない場合がある
  • 屋根工事では安全と品質確保のために足場設置が基本

屋根工事で足場を設置しない作業は、労働安全衛生法により原則として違法です。

高さ2メートル以上の作業では足場設置が義務付けられており、違反すれば罰則もあります。

例外として、陸屋根や低所作業では足場なしが認められる場合もありますが、安全確保と近隣への配慮を考慮すると足場の設置は欠かせません。

屋根工事は法律を守りつつ、安心して進めることが大切です。

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