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瓦屋根の雨漏りに気づいたとき、多くの人が「自分で直せるのか?」と考えるのではないでしょうか。
修理業者に頼むと費用がかかるため、できるだけ自力で対処したいという気持ちは理解できます。
しかし、瓦屋根の雨漏り修理には専門知識や技術が求められるため、安易に手を出すと逆に悪化させてしまうこともあります。
本記事では、瓦屋根の雨漏りを自分で修理すべきでない理由と、応急処置の方法について解説します。
また、専門業者に依頼すべきケースや、修理費用の相場についても触れるので、状況に応じた最適な対処法を知ることができます。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
瓦屋根の雨漏りは、単に「瓦が割れている」「ズレている」という問題だけではなく、屋根内部の防水シート(ルーフィング)や下地に原因がある場合もあります。
そうしたケースでは、表面的な補修をしても根本的な解決にはなりません。
ここでは、瓦屋根の雨漏り修理を素人が行うべきでない理由を解説します。
雨漏りの原因を特定することは、屋根工事のプロでも簡単ではありません。
なぜなら、雨水は屋根の一部分から侵入しても、別の場所から漏れ出してくることがあるためです。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- 瓦のズレや割れ … 目に見える部分の問題だが、根本原因とは限らない
- 防水シートの劣化 … 目視では確認しづらく、雨水が内部に浸透している可能性がある
- 漆喰の剥がれ … 瓦を固定する部分が崩れ、雨水が侵入する原因になる
こうした問題を見極めずに修理を行うと、余計に雨漏りが悪化するリスクがあります。
雨漏りが発生したときに、「瓦の割れがあるからそこを直せばいいだろう」「漆喰を塗り直せば解決するはず」といった推測で修理を行うのは非常に危険です。
例えば、瓦のズレを直しただけでは、屋根の内部に水が染み込む経路が解消されない可能性があります。
また、コーキングを適当に塗ることで逆に水の流れを妨げてしまい、内部に水が溜まりやすくなることもあります。
こうした誤った修理を行うと、一時的に雨漏りが止まったように見えても数か月後に再発することが多いので注意が必要です。
雨漏りが発生すると、すぐにでも対処しなければ室内に水が浸入し、建物の劣化を早めてしまいます。
しかし、業者に依頼すると費用がかかるため、「まずは自分で修理できる範囲で対応したい」と考える方も多いでしょう。
ただし、瓦屋根の修理は専門的な技術を要するため、安易に手を出すと状況を悪化させるリスクがあります。
そこでこの章では、自分でできる応急処置や軽微な補修の方法について解説します。
緊急時に備えて、安全に作業を進めるポイントも押さえておきましょう。
雨漏りが発生した際、すぐに業者を手配できない場合はブルーシートを使った応急処置が有効です。
雨水の侵入を防ぐために、雨漏りしている部分を覆い、土のうやロープでしっかり固定しましょう。
ただし、ブルーシートはあくまで一時的な対策であり、長期間放置すると風で飛ばされたり劣化したりするため、できるだけ早く専門業者に修理を依頼することが大切です。
特に高所作業は危険を伴うため、安全対策を万全にして行いましょう。
雨漏りの原因が、ひび割れた瓦や隙間からの浸水と明確に分かっている場合は、市販のコーキング剤を使って補修できます。
作業前に汚れや湿気を取り除き、適量のコーキング剤を充填して乾燥させるのがポイントです。
ただし、コーキング剤は応急処置としては有効ですが、長期的な耐久性には限界があり、誤った施工をすると逆に雨水の逃げ道を塞ぎ、雨漏りが悪化することもあるため注意が必要です。
瓦を固定する漆喰が部分的に剥がれている場合は、自分で補修することも可能です。
まず、剥がれかけた古い漆喰を取り除き、ホームセンターなどで販売されている補修用漆喰をコテで塗り直します。
塗布後は均等にならし、しっかり乾燥させることが重要です。
しかし、漆喰の劣化が進んでいる場合は、素人の補修では持ちが悪く、すぐに剥がれる可能性もあるため、広範囲の劣化が見られる場合は専門業者に相談するのが賢明です。
瓦屋根の雨漏りは、自分で応急処置や簡単な補修ができるケースもありますが、根本的な修理が必要な場合は専門家に相談するのが最善策です。
特に、防水シート(ルーフィング)の劣化や屋根の構造的な問題が原因の雨漏りは、素人では対応が難しく、誤った修理をすると被害が拡大する恐れがあります。
この章では、専門業者に依頼すべきケースや、修理方法の種類、費用の目安について解説します。
適切な修理を行い雨漏りの再発を防ぐために、プロの力をうまく活用しましょう。
瓦屋根の修理方法は、雨漏りの原因や損傷の程度によって異なります。
軽微な雨漏りであれば、部分的な補修で対応可能ですが、劣化が進んでいる場合は葺き替え工事が必要になることもあります。
修理方法を決定する際に重要なのは、まず雨漏りの原因を正確に特定することです。
目視だけでは特定が難しい場合、散水検査(実際に水をかけて浸水箇所を調べる方法)を行い、どこから水が侵入しているのかを確認することが大切です。
原因が特定できないまま修理を行うと、再発するリスクが高くなります。
部分的な雨漏り補修
比較的軽度の雨漏りであれば、以下の方法で対応できます。
- 瓦のズレを直す:元の位置に戻し、必要に応じて補強する
- 割れた瓦を交換する:新しい瓦に差し替える
- 漆喰の補修:剥がれた部分を塗り直す
- 防水シートの部分補修:一部を剥がして防水シートを貼り直す
これらの作業は比較的短期間で完了し、コストも抑えられます。
ただし、下地が傷んでいる場合は、部分補修では対応できないため、葺き替え工事を検討する必要があります。
葺き替え工事(屋根全体の修理)
瓦の劣化が進んでいる場合や、何度も雨漏りを繰り返している場合は、葺き替え工事が必要になることがあります。
葺き替えは大規模な工事となりますが、屋根全体の防水性能が向上し、長期的な雨漏りのリスクを軽減できます。
また、最新の軽量瓦を使用することで、耐震性を高める効果も期待できます。
雨漏り修理を行う際は、部分補修で対応できるのか、葺き替えが必要なのかを慎重に判断し、必要に応じて専門業者と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。
瓦屋根の雨漏り修理費用は、修理の規模や内容によって大きく異なります。
部分的な補修で済む場合は比較的安価ですが、屋根全体の修理が必要な場合は高額になることもあります。
- 瓦の差し替え:3,000円~10,000円/枚
- 漆喰の補修:3,000円~6,000円/m
- 防水シートの部分補修:5,000円~15,000円/㎡
- 葺き替え工事(屋根全体):150万円~250万円
特に、ルーフィング(防水シート)の劣化が原因の場合は、部分補修では対応できず、費用が高くなる傾向があります。
修理を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討することが大切です。
また、火災保険が適用できる場合もあるため、事前に確認するとよいでしょう。
この記事のまとめ!
- 瓦屋根の雨漏り修理は原因特定が難しく、自己判断での修理はリスクがある。
- 応急処置としてブルーシートやコーキングを活用できるが、根本的な解決にはならない。
- 部分的な補修で済むケースもあるが、防水シートの劣化などの場合は葺き替え工事が必要。
- 適切な修理方法を選ぶために、必要に応じて散水検査を行い原因を特定することが大切。
瓦屋根の雨漏り修理は、自分でできる範囲が限られています。
応急処置は可能ですが、根本的な修理が必要な場合は専門業者に相談するのが最善策です。
雨漏りを放置すると家全体の劣化を招くため、早めの対処を心がけましょう。