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外壁材として人気の高い「窯業系サイディング」。
新築住宅の約7割に採用されているともいわれるこの素材ですが、その耐用年数やメンテナンスのタイミングについて正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、窯業系サイディングの実際の寿命や耐用年数の目安をはじめ、劣化の原因や延命のための具体的なメンテナンス方法と周期について詳しく解説します。
また、金属サイディングなど他の外壁材との比較も行い、後悔しない外壁選びのヒントをお届けします。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
まず結論から言えば、窯業系サイディングの本体そのものの耐用年数は約30〜40年が目安とされています。
ただし、この数字はあくまで理論上のものです。
実際には塗装の劣化やシーリング材の寿命により、10〜15年ごとに適切なメンテナンスが必要です。
窯業系サイディングは一見すると頑丈に見えますが、実は「耐用年数」に大きく関わる経年劣化の要素がいくつか存在します。
特に注意したいのが、表面の塗膜の劣化と継ぎ目を保護するシーリング材の劣化です。
これらの劣化を放置すると、見た目だけでなく防水性や断熱性にも深刻な影響を与えることになります。
ここでは、窯業系サイディングの寿命を左右する主な劣化要因について詳しく解説します。
窯業系サイディングの表面は塗装によって保護されており、紫外線や雨風から外壁材本体を守る重要な役割を果たしています。
しかし、この塗膜は時間の経過とともに劣化し、色あせやチョーキング(白い粉が手につく現象)が発生します。
塗膜が劣化すると防水性が低下し、雨水がサイディング内部に浸透してしまう恐れがあります。
放置すると膨れや剥がれの原因になり、結果的にサイディング自体の寿命を縮めてしまいます。
サイディングボード同士の継ぎ目に充填されている目地材(シーリング)は、建物の気密性や防水性を維持するために欠かせない存在です。
しかし、日々の温度変化や紫外線の影響によって徐々に硬化・収縮し、ひび割れや剥がれが生じやすくなります。
シーリングの劣化を放置すると、雨水が建物内部に侵入し、構造材を腐食させたり、断熱性能を低下させたりする恐れがあります。
外壁材の寿命は「素材の強さ」だけで決まるものではありません。
窯業系サイディングも例外ではなく、定期的なメンテナンスによって耐用年数を大きく延ばすことが可能です。
中でも重要なのが、外壁塗装の塗り替えとコーキング(シーリング)の打ち替えで、劣化のサインを見極める目も必要です。
この章では、窯業系サイディングを長持ちさせるために行うべきメンテナンスと、その最適な周期について具体的にご紹介します。
外壁塗装は、窯業系サイディングの耐用年数を延ばすために最も基本的かつ重要なメンテナンスです。
塗膜は防水性や紫外線対策の役割を担っており、経年劣化によってその効果が失われていきます。
塗料の種類によって耐用年数は異なりますが、一般的には10〜15年ごとの塗り替えが目安です。
塗膜が劣化するとサイディング本体に雨水が浸透し、膨れや割れを引き起こす原因になります。
外壁を長持ちさせるためには、適切な時期に塗り直しを行うことが大切です。
コーキング(シーリング)は、サイディングボードの継ぎ目を埋めて雨水や外気の侵入を防ぐ部材です。
5〜10年程度でひび割れや剥がれなどの劣化症状が現れやすく、放置すると雨漏りや内部の腐食に発展する恐れがあります。
劣化が軽度であれば「増し打ち」で対応可能ですが、基本的には古いシーリングを撤去して新たに打ち直す「打ち替え」が大切です。
塗装と同時に行うことで足場の共用ができるので、コストの節約にもつながります。
窯業系サイディングの劣化は見た目に表れることが多く、早期発見がメンテナンス時期の判断に役立ちます。
代表的な劣化のサインには、外壁を触ったときに白い粉がつく「チョーキング現象」、塗膜の色あせ、カビや藻の発生、シーリングのひび割れや剥がれなどがあります。
また、サイディングの反りや浮きが見られた場合も注意が必要です。
こうした症状を見逃さず、早めに専門業者に相談することで、大掛かりな修繕を防ぎ、コストを抑えることができます。
外壁材にはさまざまな種類があり、それぞれに耐用年数やメンテナンス性、費用、デザイン性など異なる特徴があります。
金属サイディングはガルバリウム鋼板などを用いた素材で、耐用年数は40〜50年程度とされており、メンテナンス頻度が比較的少なく済むのがメリットです。
モルタル外壁は自由度の高いデザインが可能ですが、ひび割れが生じやすく、メンテナンスに手間がかかる傾向があります。
タイル外壁は非常に耐久性が高く、50年以上の耐用年数を誇りますが初期費用が高額です。
それぞれの外壁材には一長一短があり、長寿命を重視するなら金属サイディングやタイルが有利ですが、コストとバランスを重視するなら窯業系サイディングが最も一般的な選択肢といえるでしょう。
住宅の立地や予算、好みに応じて最適な外壁材を選ぶことが大切です。
この記事のまとめ!
- 窯業系サイディングの耐用年数は約30〜40年
- 劣化のサイン(色あせ、チョーキング、ひび割れ)を見逃さないことが重要
- 定期的なメンテナンスが不可欠
- 適切なメンテナンスを行えば長期間美観と機能を保ち続けることができる
窯業系サイディングは約30〜40年の耐用年数を持つ外壁材ですが、その性能を維持するには定期的な塗装やコーキングのメンテナンスが欠かせません。
劣化のサインを見逃さず、適切な時期に対応することで、外観の美しさと建物の耐久性を長く保つことができます。