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外壁のデザインを検討する際に、鎧張りサイディングという言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
鎧張りは古くから日本建築に用いられてきた伝統的な外壁工法のひとつであり、近年では現代住宅にも取り入れられる人気のスタイルです。
立体的な陰影が美しく、重厚感のあるデザインを実現できるため、和モダンやナチュラルテイストの外観を求める方に注目されています。
そこで本記事では、鎧張りサイディングの特徴からメリット・デメリット、施工時の注意点までを詳しく解説します。
これから外壁リフォームや新築を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
鎧張りサイディングとは、外壁材を上下に重ねて張ることで、鎧のような立体的な陰影を生み出す伝統的な外壁工法を再現したスタイルです。
もともとは木製の外壁に用いられていた技法ですが、現在では窯業系や金属系サイディングでも再現が可能になっています。
デザイン性と機能性を兼ね備えた外壁として、和風からモダン住宅まで幅広く人気を集めています。
鎧張りサイディングの最大の特徴は、板を上下に重ねて張ることで生まれる立体感と陰影のある外観です。
太陽の光や時間帯によって見え方が変化し、重厚で高級感のあるデザインを実現できます。
また、この構造は見た目だけでなく、防水性・通気性にも優れている点が大きな魅力です。
上部の板が下部の板を覆う形になるため、雨水が壁内部に入りにくく、外壁内部の湿気も逃がしやすくなります。
加えて、空気の流れを確保できるため、結露やカビの発生を抑制する効果も期待できます。
美しさと機能性を両立する鎧張りサイディングは、伝統的な日本建築の意匠を現代の住宅にも活かせる外壁スタイルです。
鎧張りサイディングに使用される素材には、主に窯業系・樹脂系・木質系の3種類があります。
まず、最も普及している窯業系サイディングは、セメントと繊維質を主原料としており、耐火性や耐久性に優れた素材です。デザインのバリエーションも豊富で、木目調や石目調など鎧張りの立体感をリアルに再現できます。
次に樹脂系サイディングは、塩化ビニルを主成分とする軽量素材で、凍結や塩害にも強く、寒冷地や海沿いの地域でも劣化しにくいのが特徴です。
さらに木質系サイディングは、天然木ならではの質感と温もりを感じられる反面、塗装や防腐処理などのメンテナンスが欠かせません。
それぞれに異なる特徴があるため、住宅のデザインや地域の気候条件に合わせて素材を選ぶことが大切です。
鎧張りサイディングは、他の外壁材にはない独特の立体感と重厚感を演出できるのが大きな特徴です。
重ね張り構造によって防水性や通気性にも優れており、機能面でも高い評価を得ています。
さらに部分補修がしやすく、長期的に見てもメンテナンスコストを抑えやすい点もポイントです。
ここでは、鎧張りサイディングが持つ具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。
鎧張りサイディングは、板を上下に重ねて張る独特の構造により、立体的で陰影のある外観を演出できます。
太陽光や照明の当たり方によって表情が変わるため、見る角度や時間帯によって異なる美しさを楽しめるのが魅力です。
木目調の窯業系サイディングを使用すれば和風建築にも自然に溶け込み、モダンでスタイリッシュな印象に仕上がります。
重厚感と高級感を兼ね備えたデザインは、住宅の存在感を際立たせ、経年変化による味わいも楽しめます。
見た目の美しさにこだわる方にとって、鎧張りサイディングは理想的な外壁スタイルといえるでしょう。
鎧張りサイディングは、重ね張りによって上の板が下の板を覆う構造になっているため、雨水が内部に入り込みにくいという特徴があります。
雨が降っても自然に下方向へ流れ落ちる設計になっており、防水性能に優れています。
また、外壁の内部には通気層を確保できるため、湿気や結露が発生しにくく、建物全体の耐久性を高める効果もあります。
特に日本のように四季があり、梅雨や高湿度の時期が多い気候には非常に適した構造です。
機能性とデザイン性の両立を求める住宅には、鎧張り構造は非常に理にかなった選択肢といえるでしょう。
鎧張りサイディングは、外壁材同士を重ねて張る構造のため、目地部分にコーキングをほとんど使用しない点が大きな特徴です。
一般的なサイディングでは、板の継ぎ目にシーリング材を充填して防水性を確保しますが、このコーキングは紫外線や雨風によって劣化しやすく、約10年前後で打ち替えが必要になります。
一方、鎧張りは板の重なりによって自然な雨仕舞いを形成するため、シーリング材の使用を最小限に抑えることができます。
その結果、定期的なコーキング補修の手間や費用がかからず、長期的に見てメンテナンスコストを大幅に削減できます。
また、経年劣化によるひび割れや剥離のリスクも少ないため、美観を長く維持できるのも大きなメリットです。
優れたデザイン性や耐久性を持つ鎧張りサイディングですが、すべてが万能というわけではありません。
重ね張りの構造ゆえに施工の手間が多く、一般的な横張りよりもコストが高くなる傾向があります。
また、対応できる職人や施工業者が限られていることも注意点の一つです。
ここでは、導入前に知っておきたいデメリットや注意点を詳しく解説します。
鎧張りサイディングは、板を一枚ずつ重ねながら張っていく工法のため、一般的な横張りサイディングに比べて施工の手間と時間がかかるのが特徴です。
その分、職人の作業工程が増え、人件費や施工費用が高くなる傾向があります。
また、使用する外壁材の量も通常より多くなるため、材料費もやや上昇します。
デザイン性と耐久性を兼ね備えた工法ではありますが、予算にはある程度の余裕を持つことが大切です。
鎧張りサイディングは、外壁材を重ねて張る特殊な工法のため、高い施工技術と経験を持つ職人が限られているのが現状です。
板の重ね幅や角度が少しでもズレると、見た目のラインが乱れたり、雨水が侵入するリスクが生じたりするため、正確な施工技術が求められます。
そのため、一般的なサイディング施工を行う業者の中でも、鎧張りに対応できる会社は多くありません。
鎧張りサイディングは美しい仕上がりと高い性能を両立できる外壁ですが、選び方や施工体制を誤ると、せっかくの魅力が半減してしまいます。
なかでも、施工精度やメンテナンス性は仕上がりや耐久性に直結する重要なポイントです。
そこでここでは、鎧張りサイディングを採用する際に押さえておきたい注意点や、業者選びのコツについて詳しく解説します。
鎧張りサイディングは、板の重ね幅や角度、水平ラインの精度が仕上がりを大きく左右するため、施工経験の豊富な業者を選ぶことが何より重要です。
少しのズレでも見た目の美しさが損なわれたり、防水性に問題が生じたりする可能性があります。
そのため、依頼前には必ず過去の施工事例を確認し、鎧張り施工の実績があるかをチェックしましょう。
経験のある職人であれば、重ね張りのラインを正確に保ちつつ、美観と機能を両立させた施工が可能です。
施工後のアフターメンテナンス体制も含めて信頼できる業者を選びましょう。
鎧張りサイディングはコーキングの使用が少なくメンテナンス性に優れていますが、定期的な点検とメンテナンスは欠かせません。
特に木質系や一部の窯業系サイディングは、紫外線や雨風によって塗膜が劣化しやすく、放置すると防水性が低下してしまいます。
そのため、外壁の種類に応じて10〜15年ごとを目安に再塗装を行うことが理想的です。
また、通気層や防水シートの劣化、外壁の浮き・反りなども定期点検で早期発見することが大切です。
屋根や雨樋と同時に点検・補修を行うことで、足場費用を抑えられる場合もあります。
計画的なメンテナンスを実施することで、鎧張りサイディングの美しさと性能を長く維持できるでしょう。
この記事のまとめ!
- 板を重ねて張ることで立体感と重厚感を生み出す外壁スタイル
- 窯業系・樹脂系・木質系などの素材がある
- デザイン性と機能性を両立できる
- 防水性が高くメンテナンスコストも比較的低い
- 施工実績のある業者選びと定期的な点検が大切
鎧張りサイディングは、板を重ねて張る独特の構造により、重厚感と立体感のある美しい外観を実現できる外壁材です。
防水性や通気性にも優れ、さらにコーキングをほとんど使用しないため、経年劣化による補修費用を抑えられる点も大きな魅力といえます。
一方で、施工には高度な技術が必要で、一般的なサイディングより費用が高くなる傾向があります。
また、対応できる業者が限られるため、施工実績のある専門業者を選ぶことが重要です。
定期的な点検やメンテナンスを計画的に行えば、鎧張りサイディングの美しさと耐久性を長期にわたって維持することができます。
デザイン性と機能性を両立した外壁を求める方にとって、鎧張りサイディングは理想的な選択肢といえるでしょう。
外装リフォームはクロスの張り替えのような工事とは違い、足場を設置した大掛かりな工事です。
そのため、リフォーム工事の中でも比較的高額な費用が発生する工事になります。
リフォーム費用を抑えるためには、以下のような方法があります。
- 複数業者から相見積もりを取得して価格を比較する
- 国や自治体の補助金・助成金制度を活用する
しかし、ひとくちに業者といっても無数に存在するため、どの業者を選べば良いのか迷っているという方も少なくありません。
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