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中古物件の購入を検討している際、「雨漏りがある物件は値引きできるのか?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
雨漏りは放置すると建物の耐久性を大きく損ね、修繕費用が高額になる可能性があります。
そのため、購入前の段階で適切に調査し、必要に応じて値引き交渉を行うことも大切です。
本記事では、中古物件における雨漏りのリスクや原因、修繕費用の相場、そして実際の値引き交渉のポイントについて詳しく解説します。
購入後に後悔しないためにも、内覧時のチェックポイントや交渉術をしっかり押さえ、適正な価格で物件を手に入れましょう。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
中古物件を購入する際、雨漏りは見過ごせない重大な問題の一つです。
雨漏りの原因はさまざまですが、屋根や外壁の劣化、防水処理の不備などが主な要因となります。
さらに雨漏りを放置すると建物の耐久性が低下し、修繕費用が膨らむだけでなく、カビやシロアリ被害のリスクも高まります。
適正な価格で購入するためにも、まずは雨漏りのリスクについて理解し、値引き交渉を行う前に必要な知識を身につけましょう。
中古物件の雨漏りは、建物の経年劣化や施工不良が原因で発生します。
特に屋根のズレやひび割れ、外壁の劣化、ベランダの防水不良が主な要因となることも多いです。
また、窓やサッシのコーキング材が劣化すると、隙間から雨水が侵入することもあります。
排水設備の不備や詰まりによっても雨漏りが発生するため、内覧時には屋根・外壁・バルコニー・窓周りを重点的にチェックすることが重要です。
雨漏りを放置すると、建物の構造に深刻なダメージを与える可能性があります。
例えば、柱や梁が腐食し耐震性が低下するだけでなく、湿気がこもることでカビやダニが発生し、健康被害を引き起こす可能性もあります。
さらに湿った木材を好むシロアリの被害が拡大し、建物の寿命が縮まることもあります。
電気配線に水が浸入するとショートや火災のリスクが高まるため、雨漏りを発見した場合は早急な対処が必要です。
雨漏りが見つかった中古物件は、適正な価格で購入するために値引き交渉が可能です。
しかし、どの程度の値引きが見込めるのかを把握するには、修繕にかかる費用を知ることが重要です。
雨漏りの調査費用や、屋根・外壁・窓など部位ごとの修繕費用の相場を把握することで、根拠をもって値引き交渉を進められます。
この章では、雨漏り物件の値引き目安や修繕費の相場について詳しく解説します。
雨漏りの原因を特定するには専門的な調査が必要です。
調査方法によって費用は異なりますが、基本的な調査は3万~20万円程度が相場です。
散水調査や発光液調査は比較的安価ですが、屋根や外壁の内部に浸透した水の流れを正確に把握するには、赤外線(サーモグラフィー)調査など高度な技術が必要になることもあります。
雨漏りの場所や状況によって適切な調査方法を選び、修繕費用とあわせて値引き交渉の材料に活用しましょう。
散水調査
散水調査は、実際に水をかけて雨漏りの発生状況を再現する方法です。
特定の箇所にホースで水を流し、どこから浸水するのかを確認します。
費用は3万~10万円程度で比較的安価に行えるのがメリットですが、原因が特定しにくいこともあります。
屋根や外壁、サッシ周りの雨漏り調査に有効ですが、より精密な調査が必要な場合は他の方法と併用すると良いでしょう。
発光液調査
発光液調査は、特殊な発光液を使って雨水の侵入経路を可視化する方法です。
発光液を建物の外部から流し込み、ブラックライトを当てることで室内側への浸入経路を特定できます。
費用は5万~15万円程度で、散水調査よりも精度が高く、細かいひび割れや漏水箇所を特定しやすいのが特徴です。
特に外壁やベランダ、防水層の雨漏り診断に適しており、原因が分かりにくいケースで有効な調査方法です。
赤外線(サーモグラフィー)調査
赤外線(サーモグラフィー)調査は、温度変化を利用して水の浸入経路を可視化する方法です。
雨漏りが発生している箇所は周囲と温度が異なるため、赤外線カメラを使って雨水が流れている場所を特定できます。
費用は7万~20万円程度と比較的高額ですが、屋根裏や壁の内部など目に見えない部分の調査が可能で、建物全体の診断に向いています。
雨漏りの修繕費用は、発生している部位や損傷の程度によって異なります。
屋根・屋上、外壁、ベランダ・バルコニー、窓・サッシなど、それぞれに適した修繕方法があり、費用の相場も変わります。
雨漏りの原因となる部位ごとの修繕費を把握することで、値引き交渉の際に適切な根拠を提示しやすくなります。
屋根・屋上
屋根や屋上は雨漏りの発生リスクが最も高い部位の一つです。
原因としては、瓦やスレートのズレ、屋根材のひび割れ、防水シートの劣化などが挙げられます。
修繕費の相場は、局所的な補修なら5万~30万円、屋根全体の葺き替えが必要な場合は80万~150万円程度かかります。
また、屋上の防水工事は50万~100万円ほどが一般的です。
外壁
外壁からの雨漏りは、ひび割れやシーリング(コーキング)材の劣化が主な原因です。
特に経年劣化によって発生するクラック(ひび割れ)や、サイディングのつなぎ目部分の劣化が雨水の浸入経路となることがあります。
修繕費用の相場は、コーキングの打ち直しが3万~15万円、防水塗装の再施工は50万~120万円程度です。
外壁の防水性能が低下している場合は、修繕費用を考慮した値引き交渉を検討しましょう。
ベランダ・バルコニー
ベランダやバルコニーは、防水処理が劣化すると雨水が下の階や室内に浸入しやすくなります。
特に排水口の詰まり、防水の劣化、タイルやコンクリートのひび割れが原因となることが多いです。
修繕費の相場は、排水口の詰まり解消が2万~10万円、防水のやり替えは20万~50万円ほどです。
窓・サッシ
窓やサッシ周りの雨漏りは、コーキング(シーリング)材の劣化、サッシの歪み、建物の経年変化による隙間が主な原因です。
強風を伴う雨の日に水が吹き込むケースも多く、放置すると室内の壁や床がダメージを受けます。
修繕費の相場は、コーキングの補修が1万~5万円、サッシの交換は10万~30万円程度です。
窓枠やサッシの周囲にカビやシミがある場合は、雨漏りの兆候かもしれないので注意しましょう。
雨漏りがある中古物件を購入する際、簡単な補修で済ませてしまうと後々に雨漏りが再発する可能性もあるので注意が必要です。
また、値引き以外にも、売主側に修繕を負担してもらうという選択肢もあります。
この章では、雨漏りを理由に適切な値引き交渉を行うための具体的なポイントを解説します。
雨漏りが発生している中古物件を購入する際、値引き交渉だけでなく根本的な修繕方法を検討することが重要です。
一時的な補修では再発する可能性が高く、結果的に追加の修繕費が発生する恐れがあります。
そのため、雨漏りの原因を正確に特定し、屋根や外壁、防水処理などの根本的な修繕を行う必要があります。
調査費用をかけてでもしっかりと診断し、購入前に修繕計画を立てることで、後々のトラブルを防ぐことができます。
雨漏りが見つかった場合、必ずしも値引き交渉をする必要はなく、売主負担で修繕してもらうという選択肢もあります。
売主側が早期に売却したいと考えている場合、修繕対応に応じてもらえる可能性が高まります。
契約前に交渉し、「引き渡しまでに修繕を完了する」もしくは「修繕費用を売主が負担する」という条件を取り決めることがポイントです。
修繕済みの状態で引き渡しを受けることで、購入後のリスクを軽減できます。
この記事のまとめ!
- 雨漏りの原因を特定し修繕費用の相場を把握する
- 調査費用や修繕費用を根拠に値引き交渉を行う
- 場合によっては売主負担で修繕してもらう選択肢も考慮する
適正な価格で中古物件を購入するためには、交渉の準備が欠かせません。
事前のチェックを怠らず、納得のいく取引を進めましょう。