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屋根の葺き替え工事を検討する際、多くの人が直面するのが「見積もりの不透明さ」です。
「見積もりの金額が業者によって大きく異なる」「明細に『一式』としか書かれておらず詳細が分からない」「適正価格がどのくらいなのか分からない」など、疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、屋根葺き替えの見積もり明細について詳しく解説し、適正価格の判断方法や注意点を紹介します。
不明確な見積もりによるトラブルを回避し、適正な価格で安心できる工事を実現するために、ぜひ最後までお読みください。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
屋根の葺き替え工事を依頼する際、多くの人が最初に確認するのが「見積もり」です。
しかし、見積もりを受け取っても「専門用語が多くてよく分からない」「金額が妥当なのか判断できない」と感じることは少なくありません。
特に、「一式」という表記が多い見積もりでは、具体的に何の作業が含まれているのかが不明瞭で、後から追加料金が発生する可能性もあります。
そのため、見積もりの明細を正しく理解することは、適正価格で屋根葺き替えを行うために非常に重要ということです。
ここでは、屋根葺き替えの見積もりに含まれる基本項目や、その内訳について詳しく解説します。
事前に知識を身につけつつ、業者の説明をしっかりと理解して納得のいく契約を結びましょう。
屋根葺き替えの見積もりには、主に以下の項目が含まれます。
基本項目 | 内容・単価 |
仮設工事(足場設置) | ・安全な作業を行うための足場を設置する費用 ・相場:1,000〜1,500円/㎡ |
既存屋根の撤去・処分 | ・現在の屋根材を撤去し、廃材を処分する費用 ・相場:2,000〜3,000円/㎡ |
防水シート(ルーフィング)施工 | ・屋根下地に防水シートを設置する費用 ・相場:500〜1,000円/㎡ |
屋根材の費用 | ・瓦やガルバリウム鋼板などの新しい屋根材の購入費 ・相場:3,000〜8,000円/㎡(屋根材の種類による) ※施工費用と一緒になるケースもある |
施工費用 | ・屋根材を設置する職人の手間賃 ・相場:3,000〜5,000円/㎡ |
下地野地板貼り | ・屋根の下地材を設置する費用 ・相場:3,000〜5,000円/㎡ |
棟板金加工費用 | ・棟部分の板金加工取り付けの費用 ・相場:3,000〜5,000円/m |
軒先唐草板金加工費用 | ・軒先板金部分の取り付け費用 ・相場:1,500〜3,000円/m |
諸経費 | ・産廃処理費、管理費、交通費など ・相場:見積もり金額の5〜10% |
以下は、一般的な住宅(30坪)の葺き替えを想定した見積もり例です。
項目 | 数量 | 単価 | 小計 |
仮設工事(足場設置) | 250㎡ | 1,000円 | 250,000円 |
既存屋根の撤去費用 | 60㎡ | 2,000円 | 120,000円 |
野地板張り | 60㎡ | 3,000円 | 180,000円 |
防水シート(ルーフィング)施工 | 60㎡ | 800円 | 48,000円 |
ガルバリウム鋼板施工 | 60㎡ | 6,000円 | 360,000円 |
棟板金取り付け | 20m | 5,000円 | 100,000円 |
軒先唐草取り付け | 35m | 3,000円 | 105,000円 |
小計 | 1,163,000円 | ||
諸経費 | 10% | 116,300円 | |
消費税 | 10% | 127,930円 | |
合計 | 1,407,230円 |
屋根葺き替え工事の見積もりを見ても、「この金額が適正なのか?」と疑問に思う方は多いです。
実際に業者ごとに見積もりの金額が大きく異なることがあり、相場を知らないまま契約してしまうと、適正価格より高い費用を支払ってしまうこともあります。
また、屋根材の種類や施工内容によっても費用は変動します。
そこでここからは「スレート屋根と瓦屋根ではどのくらい違うのか?」といった疑問などを解決するため、屋根材ごとの相場や費用シミュレーションを基に、実際の費用目安を詳しく解説します。
見積もりを比較する際の基準を持つことで、適正な工事を適正価格で依頼できるようになりましょう。
屋根材の種類によって、工事費用は大きく異なります。
屋根材 | 1㎡あたりの費用 | 耐用年数 |
スレート | 6,000〜9,000円 | 約20〜30年 |
ガルバリウム鋼板 | 7,000〜10,000円 | 約30〜40年 |
瓦 | 10,000〜15,000円 | 約50年以上 |
屋根の面積や選ぶ材料、業者ごとの施工費によって、最終的な費用は大きく変動します。
工法 | 費用目安(30坪) |
スレート → スレート | 約120〜170万円 |
スレート → ガルバリウム鋼板 | 約130~200万円 |
スレート → 瓦 | 約180~250万円 |
「せっかく見積もりを取ったのに、どの業者を選べばよいのか分からない…」そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
屋根葺き替え工事は高額なリフォームの一つであり、業者選びを間違えると予想以上の追加費用が発生したり、施工後に不具合が発覚したりする可能性もあります。
そのため、見積もりを取得する際は「価格だけで決めない」「追加費用の有無を確認する」「明細の記載内容をしっかりチェックする」ということが大切です。
ここでは、見積もりを比較・検討する際に押さえておくべきポイントを詳しく解説し、信頼できる業者選びのためのコツをお伝えします。
屋根葺き替えの見積もりを比較する際、多くの人が「安い業者を選びたい」と考えます。
しかし、価格だけで業者を決めるのは危険です。
極端に安い見積もりの場合、施工の質が低い・安価な材料が使われている・追加費用を請求されるといった可能性が高まります。
屋根工事は長期間にわたる影響があるため、価格とともに施工実績や口コミ、保証内容をしっかり確認し、総合的に判断することが重要です。
屋根葺き替え工事では、見積もりに含まれていない費用が後から発生するケースがあります。
特に屋根の下地の劣化が工事中に発覚すると、追加費用がかかることが少なくありません。
そのため、契約前に「追加料金の発生条件」を確認しつつ、最終的な費用が大きく変動しないようにすることが大切です。
見積もりを確認する際、重要なのが明細の詳細さです。
「一式」とだけ記載されている見積もりは、何が含まれているのか分からず、後で追加料金が発生する可能性があります。
具体的に、材料費・施工費・足場代・廃材処理費などの内訳が細かく記載されているかをチェックしましょう。
また、使用する屋根材の種類(メーカーや型番)が明記されていると、工事の透明性が高く、適正価格であるかを判断しやすくなります。
屋根葺き替え工事の見積もりを取得した際、「この業者、本当に大丈夫?」と感じることも多いのではないでしょうか。
屋根リフォーム業界には悪質な業者も存在し、不透明な見積もりを提示して高額請求や手抜き工事を行うケースも報告されています。
なかでも、「一式」といった曖昧な表記が多い見積もりや、相場より極端に安い金額を提示する業者には注意が必要です。
また、保証がない、もしくは極端に短い場合、施工後にトラブルが発生しても対応してもらえない可能性も考えられます。
ここでは、「この見積もり、危ないかも…」と判断するための具体的なチェックポイントを紹介します。
工事を依頼する前に確認し、安心できる契約を結ぶための参考にしてください。
見積もりの中に「一式」という表記が多い場合、具体的な作業内容や費用の詳細が不透明である可能性が高いです。
「一式」の中にどのような作業が含まれているのかを業者に確認し、できるだけ詳細な明細を出してもらうことが重要です。
例えば、「足場代一式」「屋根材一式」ではなく、「足場設置(〇〇円/㎡)」「ガルバリウム鋼板(〇〇円/㎡)」といった具体的な金額を提示してもらいましょう。
これにより、相見積もりをした際にも適正価格かどうかを判断しやすくなります。
相場より極端に安い見積もりには注意が必要です。
安価な見積もりの裏には、手抜き工事・質の低い材料の使用・未熟な職人の起用などのリスクが潜んでいることが多いからです。
また、契約後に追加料金を請求されるケースもあります。
適正価格を把握し、極端に安い業者を避けることが、後悔しないリフォームのポイントです。
信頼できる業者を選ぶためには、相場価格を知り、相見積もりを取ることが重要です。
屋根葺き替え工事は、一度施工すれば20〜30年以上の耐用年数があるため、アフターサポートが重要です。
しかし、保証がない、もしくは保証期間が極端に短い業者は要注意です。
施工ミスがあった場合の補修対応や、屋根材の保証が含まれているかを確認しましょう。
一般的に工事保証は10年、メーカー保証は20年前後が適正です。
保証が不十分な業者は、施工後のトラブル時に対応してもらえない可能性があるため、契約前に必ず確認しましょう。
この記事のまとめ!
- 屋根材ごとの相場を把握し、適正価格を見極める
- 価格だけでなく「明細の透明性」も確認する
- 「一式」表記が多い業者、相場より安すぎる業者には注意する
- 工事保証とメーカー保証の有無を確認する
屋根の葺き替えは大きな出費を伴う工事ですが、しっかりと見積もりを比較し、信頼できる業者を選ぶことで、安心して長持ちする屋根を手に入れることができます。
この記事が、皆様の屋根リフォームの参考になれば幸いです。