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ウレタン防水の施工において、メッシュ(補強クロス)の貼り方は仕上がりの品質を左右する重要な工程です。
下地の動きに追従し、防水層のひび割れや剥がれを防ぐ役割を持つメッシュですが、貼り方を間違えると施工不良の原因になりかねません。
本記事では、メッシュの基本的な役割から具体的な貼り方や注意点までをわかりやすく解説します。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
ウレタン防水における「メッシュ」とは、ウレタン樹脂の中間に挟み込むことで補強効果を高めるシート状の資材です。
主に「補強クロス」や「メッシュシート」とも呼ばれ、ひび割れの防止や下地の動きへの追従性を高める目的で使用されます。
この章では、メッシュの役割や使われる部位について詳しく解説します。
ウレタン防水における「メッシュ」とは、主にガラス繊維などからできたシート状の補強材で、「補強クロス」や「メッシュクロス」とも呼ばれます。
このメッシュは、防水層の耐久性を高めるために使われ、動きのある下地や亀裂が入りやすい部位でその効果を発揮します。
ウレタン防水は液状の塗料を塗り重ねることで膜を形成する防水方法ですが、単層では破断や伸縮に対して不十分な場合があります。
そこでメッシュを挟み込むことで引張強度が向上し、表面の割れや浮きなどのトラブルを抑えることができます。
立ち上がり部分や入隅、既存のひび割れ補修箇所では必須と言える存在です。
また、メッシュを使うことでウレタン層の厚みを均一に保つことができ、結果として防水性能そのものが安定します。
つまり、メッシュは単なる補強材ではなく、耐用年数や施工品質にも大きく関わる重要な資材および工程といえます。
ウレタン防水でメッシュが使われるのは、主にひび割れや動きが発生しやすい部位です。
代表的なのが立ち上がり部や入隅といった、建物の構造的に力が集中しやすい箇所です。
また、既存のクラック補修部位や目地部、ドレン周辺など、防水層が傷みやすい場所にも用いられます。
これらの箇所は、温度変化や建物の揺れによって伸縮が生じやすく補強が必要とされるため、メッシュを挟み込むことで防水層の追従性と耐久性を高めることができます。
場合によっては全面に貼り込むこともあり、施工する環境や劣化の程度に応じて使い分けがなされます。
メッシュの使用は防水層を長持ちさせるためのひとつの工夫であり、適切な場所に使用することで全体の耐久性が向上します。
メッシュを正しく貼り込むには、単にシートを敷くだけでは不十分です。
下地処理やウレタンの塗布タイミング、空気抜きの方法など、いくつかのステップを順に丁寧に行う必要があります。
この章では、ウレタン防水におけるメッシュ貼りの具体的な手順を、初心者にもわかりやすく段階ごとに解説していきます。
ウレタン防水で最も重要な工程のひとつが、施工前の下地処理です。
まずは施工面の汚れやホコリ、油分を丁寧に除去します。
ひび割れや段差がある場合は、シーリング材やカチオンモルタルで補修・不陸調整を行い、平滑で健全な面に仕上げることが基本です。
下地が劣化していたり、凹凸が残ったままだと、メッシュやウレタンが密着せず、防水層が浮いたり剥がれたりする原因になります。
最後にプライマーを塗布し、下地とウレタンの接着性を高めます。
プライマーは下地の種類に合ったものを選び、塗布後は十分に乾燥時間を確保することが重要です。
下地処理とプライマー塗布が完了したら、ウレタンの1層目を塗布します。
この1層目は、後で貼り込むメッシュシートを固定するための「のり付け」の役割を果たすため、できるだけ均一に薄く塗布することが大切です。
ローラーなどを使い、立ち上がりや細かな部位まで丁寧に施工します。
膜厚が不均一になるとメッシュが浮いたり、施工後の防水層にムラが出る可能性があるため注意が必要です。
使用するウレタン材は1液型または2液型があり、施工条件や製品仕様に応じて撹拌・塗布量を守る必要があります。
塗布後は、完全に硬化する前に次のメッシュ貼り工程へ移ることが重要です。
1層目のウレタンがまだ硬化しないうちに、素早くメッシュシートを貼り込んでいきます。
メッシュは所定の長さにカットし、施工面に重ね幅を確保しながら配置します。
重ね幅の目安は約50mm程度が推奨されており、継ぎ目からの浮きや漏水を防ぐためにも、この寸法を守ることが重要です。
貼り込みの際は、ローラーを使って中央から外へ空気を押し出すように圧着し、シワや浮きが出ないよう丁寧に処理しましょう。
入隅や排水ドレン周りなど形状が複雑な箇所は、あらかじめメッシュを切り欠いて合わせておくと施工しやすくなります。
貼り終えたら、次のウレタン層の塗布に備え、浮きやズレがないか最終確認を行います。
メッシュ貼りが完了したら、2層目と3層目のウレタン塗布に移ります。
この層は、メッシュを覆って防水層として一体化させる役割を持ちます。
適切な膜厚(おおよそ1.5~2.0kg/m²)を確保しながら、ローラーや刷毛で丁寧に塗り広げていきます。
メッシュの継ぎ目や端部は厚みが不足しがちなので、重点的に確認しながら作業を進めましょう。
膜厚が不十分だと防水性能が発揮されず、早期劣化の原因になります。
また、温度や湿度により硬化速度が変わるため、施工当日の気象条件に応じて養生時間や塗り重ねのタイミングを調整する必要があります。
しっかり硬化させることで、強靭で信頼性の高い防水層が形成されます。
ウレタンの3層目が十分に硬化した後、仕上げとしてトップコートを塗布します。
トップコートは紫外線や風雨からウレタン防水層を保護し、耐久性を維持するために欠かせない工程です。
主に水性タイプと溶剤タイプがあり、施工場所や環境に合わせて選びます。
屋上やベランダなど直射日光が当たる場所では、遮熱機能付きのトップコートを選ぶとさらに劣化を抑えられます。
施工はローラーや刷毛で均一に塗布し、ムラや塗り残しがないよう注意します。
メーカーが指定する塗布量や乾燥時間を厳守しないと、トップコートの効果が十分に発揮されないため、必ず取扱説明書を確認しましょう。
ウレタン防水のメッシュ貼りで仕上がりを左右するのは、実は細かな施工のポイントです。
特に下地の平滑性やメッシュの密着性、空気の巻き込みなどは、後々の不具合を防ぐ上で非常に重要になります。
この章では、施工時に押さえておきたい注意点や品質確保のためのコツについて解説します。
ウレタン防水でメッシュを正しく貼るためには、施工前の下地処理と不陸調整が極めて重要です。
下地にホコリや油分、浮きゴミが残っていると、メッシュやウレタンが密着せず、防水層の浮きや剥がれにつながります。
また、下地に凹凸があるとメッシュがうまく密着せず、空気が入りやすくなるため、防水層に膨れが生じるリスクも高まります。
そのため、必要に応じてサンダーでケレン作業を行い、シーリングやカチオンモルタルなどで凹みや段差を埋めて面を平滑に整えることが欠かせません。
また、プライマーを均一に塗布して乾燥させることで、ウレタンとの接着力を確保します。
下地処理が不十分なまま施工を進めてしまうと、いくら丁寧にメッシュを貼っても長持ちする防水層にはなりません。
メッシュ貼りの工程で最も注意すべきポイントのひとつが、「空気」と「シワ」を入れないことです。
貼り込みの際に空気が残ると、後にウレタンが硬化した際に膨れや剥がれが発生しやすくなり、耐久性が著しく低下します。
特に端部や立ち上がり部ではメッシュが浮きやすく、細かい部分への圧着が不十分になるケースも多いため注意が必要です。
シワができた場合、その部分だけ膜厚が不均一になり、水の侵入や破断の原因にもなります。
貼り込みは1層目のウレタンが硬化する前に行い、ローラーで中央から外に向けて空気を逃がすように押し出すのが基本です。
万が一、空気が抜けず浮いてしまった場合は、その場で切れ目を入れて再圧着するなど、迅速に対応することが大切です。
この記事のまとめ!
- ウレタン防水に使うメッシュはひび割れ防止や補強のために重要な役割
- 立ち上がり部やクラック補修箇所、平場に使用される
- メッシュの重ね幅や貼り込み時のシワの処理が品質に直結する
- 下地の平滑性や材料の扱い方を正しく守ること
ウレタン防水におけるメッシュの貼り方は、防水層の強度や耐久性を左右する重要な工程です。
正しい下地処理、適切な重ね幅、空気やシワの排除といった基本を守ることで、長期間安心できる防水性能が得られます。
外装リフォームはクロスの張り替えのような工事とは違い、足場を設置した大掛かりな工事です。
そのため、リフォーム工事の中でも比較的高額な費用が発生する工事になります。
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