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外壁塗装をすると、「家の中まで強い臭いが入ってきてツライ…」「頭が痛くなったり、気分が悪くなったりする」といった悩みを抱える人が少なくありません。
特に赤ちゃんや高齢者、ペットがいる家庭では、健康への影響も気になるところです。
外壁塗装の臭いは使用する塗料の成分や気象条件によって強まることがあり、しっかり対策をしないと家の中に長時間残ることもあります。
しかし、適切な方法で換気をしたり、事前に対策を講じたりすることで、臭いの侵入を抑えることができます。
本記事では、外壁塗装の臭いが家の中に入る原因や健康への影響、効果的な対策について詳しく解説します。
外壁塗装中も快適に過ごすための工夫についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください!

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
外壁塗装をすると、家の中にまで臭いが入り込み不快に感じることがあります。
「窓を閉めているのに臭いがする」「換気をしてもなかなか消えない」と悩む人も多いのではないでしょうか?
実は塗料の成分や気象条件、家の構造によって臭いが室内に入り込む原因はさまざまです。
この章では、外壁塗装の臭いが発生するメカニズムや、どのようなルートで家の中に侵入するのかを詳しく解説します。
塗料の主な成分は 「樹脂」「顔料」「溶剤」「添加剤」 の4つで構成されています。
このうちの溶剤は、塗料の粘度を調整し塗りやすくするための成分ですが、臭いが強く塗料中にVOCなども含まれている特徴があります。
VOC(揮発性有機化合物:Volatile Organic Compounds)とは
VOC(揮発性有機化合物)とは、常温で容易に揮発し、空気中に放出される有機化合物の総称です。塗料や接着剤、洗浄剤、燃料などに含まれており、代表的なVOCにはトルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、ベンゼンなどがあります。
昨今の外壁塗料は水系のものが主流のため、このVOCの含有率は非常に低くいのが特徴です。
ただし、鉄部や木部、屋根などの部位を塗装する塗料は溶剤系が使われているケースが多いため、これが強い刺激臭の元になっているケースがほとんどです。
外壁塗装の臭いは塗料が乾燥する過程で揮発するため、塗装作業中が最も強くなります。
特に気温が高い日は塗料の蒸発が早まり、臭いも強くなります。
また、湿度が低いと揮発が進みにくく、臭いが長時間拡散しやすくなる傾向があります。
さらに風が強い日は塗料の臭気成分が遠くまで運ばれるため、室内にも入り込みやすくなります。
外壁塗装の臭いは家の隙間から室内に侵入することが多く、特に窓や換気扇、通気口が主なルートになります。
窓のわずかな隙間から風に乗って臭いが入り込むほか、換気扇を使用すると負圧が発生し、外気を引き込みやすくなるため注意が必要です。
さらに、エアコンの給気口や屋根裏の通気口からも臭いが入り込む可能性があります。
室内に入り込んだ外壁塗装の臭いは、換気の方法や塗料の種類によって残る期間が異なります。
一般的に、適切なタイミングで換気を行えば2日から3日程度で薄れることが多いですが、密閉された環境ではさらに数日残ることもあります。
特に油性塗料は揮発性有機化合物(VOC)を含むため、臭いが長引く傾向があります。
外壁塗装の臭いを長時間吸い込むと、体に不調を感じることがあります。
「頭痛がする」「喉が痛い」「気分が悪い」といった症状が出ることもあり、特に赤ちゃんや高齢者、ペットがいる家庭では注意が必要です。
塗料に含まれる揮発性有機化合物(VOC)は、過剰に吸い込むと健康に影響を与えることがあるため、しっかりと対策を行うことが大切です。
この章では、外壁塗装の臭いによる健康リスクと、安全な環境を保つためのポイントについて解説します。
外壁塗装の臭いの原因となる揮発性有機化合物(VOC)は、吸い込むことで頭痛・めまい・喉の痛み・目の刺激などの健康被害を引き起こすことがあります。
特に換気が不十分な室内ではVOC濃度が上昇し、症状が悪化する可能性があります。
症状がひどい場合は一時的に別の場所へ避難することも検討しましょう。
赤ちゃんや高齢者、ペットは外壁塗装の臭いに敏感で、VOCによる影響を受けやすい傾向があります。
塗装期間中は換気を徹底し、場合によっては一時的な避難を考えることが重要です。
VOCの濃度が高い環境では健康リスクが増すため、適切な換気を行い、室内のVOC濃度を下げることが重要です。
厚生労働省は、室内のホルムアルデヒド濃度の指針値を0.08ppm以下と定めています(参考:厚生労働省)。
窓を開けて空気を入れ替える、換気扇を適切に使用することでVOCの蓄積を防ぎましょう。
「できるだけ臭いを家の中に入れたくない!」そんな方のために、事前にできる対策や臭いを軽減する方法を紹介します。
この章では、臭い対策を詳しく解説します。
外壁塗装の臭いを抑えるには、水系(=水性)塗料の使用が効果的です。
水性塗料は有機溶剤を含む量が少なく、VOCの放出が少ないため、油性塗料に比べて臭いが弱いのが特徴です。
また、水性塗料は乾燥後の健康リスクが低く、環境にも優しいため、臭いが気になる場合や小さな子ども・高齢者がいる家庭では特におすすめです。
事前に施工業者に相談し、可能な限り水性塗料を選ぶようにしましょう。
外壁塗装の臭いや健康リスクを減らすために、F☆☆☆☆(エフフォースター)認定の塗料を選ぶことも有効です。
F☆☆☆☆は、ホルムアルデヒドの放散量が最も少ない塗料に与えられる等級で、シックハウス症候群のリスクを抑えられます。
F☆☆☆☆(エフフォースター)とは?
F☆☆☆☆(エフフォースター)とは、建築材料に含まれるホルムアルデヒドの放散量を示す等級の最高ランクです。日本のJIS規格(日本工業規格)やJAS規格(日本農林規格)に基づき、国土交通省が定めたシックハウス対策基準に適合する建材に付与されます。
塗装業者に相談し、低VOCでF☆☆☆☆認定の塗料を選ぶことで臭いを軽減し、安心して過ごせる環境を整えましょう。
「臭いがきつくて、家の中で過ごすのがツライ…」「どうにか快適に過ごす方法はないの?」と悩む方も多いでしょう。
外壁塗装中は一時的に避難する選択肢もありますし、換気の時間帯を工夫することで臭いの影響を抑えることもできます。
この章では、外壁塗装期間中の快適な過ごし方について具体的な方法を紹介します。
外壁塗装の臭い対策には、塗料がある程度乾燥してから換気することが大切です。
塗装直後はVOCが多く揮発するため、このタイミングで窓を開けると室内に臭いが入りやすいです。
代わりに、塗装後数時間経ち、表面が乾燥した後に換気することで、臭いの侵入を抑えながら新鮮な空気を取り入れることができます。
天候や風向きも考慮し、最適なタイミングで効率よく換気しましょう。
外壁塗装の臭いが強く体調不良を感じる場合や、小さな子ども・高齢者・ペットがいる家庭では、一時的な避難を検討するのも有効です。
特に塗装日はVOCの放散量が多く臭いが強いため、ホテルや親戚宅に避難することで健康リスクを軽減できます。
長期間の避難が難しい場合は、臭いが落ち着く夜間だけ帰宅する方法もあります。
塗装業者とスケジュールを調整し、できるだけ短期間で作業が終わるよう依頼するのも効果的です。
この記事のまとめ!
- 臭いは窓や換気扇、通気口から侵入しやすい
- 水性塗料やF☆☆☆☆認定塗料を選ぶ
- 一時的にホテルや親戚宅へ避難することも検討する
- 塗料が乾燥したタイミングで換気する
外壁塗装の臭いは、事前の対策や適切な換気を行うことで軽減できます。
特に健康への影響が気になる場合は、VOCの少ない塗料を選んだり、一時的に避難することも検討しましょう。
臭い対策をしっかり行い、快適な環境を保ちましょう!