地震後の無料点検は危険?屋根点検商法の手口と対処(体験談あり)

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地震後に来る無料点検の訪問業者は、その場で断り、屋根に上げないのが鉄則です。
『屋根の瓦がずれている』『今すぐ直さないと危険』と言われても、まずは契約せず、証拠(写真・見積内訳)を確認してください。


「屋根の瓦がずれてるから直せって業者が来たんだけど、50万円で直すって…どうしよう」

数年前、地元で大きな地震があってからひと月ほど経ったある日のこと、実家の母から緊迫した電話がかかってきました。

築30年の実家に、突然「屋根修理業者」を名乗る男が現れたというのです。 LINEで送られてきたチラシの画像を見て、私はすぐに違和感を覚えました。屋号は個人名、住所を調べると明らかに単なる民家。

母があいまいな返事をしてしまったことで、翌日再訪するというのです。私は絶対に契約しないように母に伝えたところ、再訪した男はチラシを回収して消えました。

これが「点検商法」の実態です。

この記事では、築20年以上の戸建てにお住まいの方に向けて、地震後に訪問業者が来たときの対処、屋根・外壁・シーリング・ベランダ(防水)まで含めた安全な点検の進め方、そして見積もりを適正に比較するコツを、実体験を交えて整理します。

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結論 訪問業者には玄関先で断る(点検もNG)

国民生活センターに寄せられる相談の中で、屋根工事の点検商法に関するものが年々増えています。典型的な手口を知っておくだけで、被害は防ぐことができます。

警視庁も、地震などの災害後に「無料点検」を口実に訪問し、不必要な住宅修理を契約させる悪質業者への警戒を呼びかけています。

だから原則はシンプルです。訪問業者には「点検は結構です。必要ならこちらから連絡します」と玄関先で断りましょう。特に屋根には絶対に上げてはいけません。これが最優先の安全策です。

特に注意してほしいのが、離れて暮らす親世代。私の母も60代で、善意から「せっかく来てくれたのに申し訳ない」と対応してしまいがちでしたから、この記事を家族LINEで共有しておくと、いざという時に役立ちます。


母は後日、こう言っていました。
「点検に来た業者さん、とてもまじめで丁寧に説明してくれて、良い人そうだったのよ」
これが落とし穴で、悪質業者ほど、第一印象は誠実に見えます。丁寧な言葉遣い、清潔な身なり、もっともらしい説明——すべて計算ずくです。「良い人そう」だからこそ、高額な工事契約を取れるのです。

くれぐれも見た目の印象に騙されないでください。

母が再訪された理由:「検討します」は断ったことにならない

大きな地震の後、突然業者が訪問してきたら、曖昧な返事は禁物です。 母は最初「ちょっと考えます」と言っただけだったのに、翌日の業者の再訪を許してしまいました。相手からすれば「脈あり」と判断されてしまったのでしょう。

断るときは、はっきり言い切る。以下は実際に使える言い回しです。

基本の断り方
「お断りします。点検も工事も依頼しません」

少し丁寧に断る場合
「家族と相談して、必要ならこちらから連絡します」
「今は対応できません。名刺があるなら置いてください」

しつこく食い下がられたら
「これ以上はお断りします。帰ってください」

威圧的な態度や居座られたら
「警察(#9110)に相談します」

相手が「無料点検だけですから」と繰り返しても、家に入れない、屋根に上げない、その場で個人情報を書かない——この3点は絶対に守ってください。

警視庁の注意喚起でも、屋根に上げた結果として被害につながる事例が報告されています。悪質なケースでは、業者が屋根に上がってわざと瓦を割り、その写真を証拠に「すぐ修理が必要です」と高額契約を迫ってきます。

何度も言うが、どんな理由があっても、訪問業者を屋根に上げてはいけません。 点検は信頼できる業者を自分で選んでから依頼すること。それが鉄則です。

自分でできる安全チェック:屋根に上らず地上から確認する

地震の後、家の状態が気になるのは当然ですが、素人がいきなり屋根に上るのは危険すぎます。転落事故のリスクが高いうえ、点検中に余震が来たら命に関わるおそれもあります。


一次確認は、地上や窓から目視できる範囲だけにしておきましょう。

屋根・雨樋のチェックポイント

まず屋根を見上げて、瓦が落ちていないか、棟のラインが波打っていないかを確認しましょう。雨樋が外れていたり、継ぎ目が抜けていれば、次の雨で雨漏りにつながる可能性があります。

軒天(軒裏)が浮いたり剥がれていないかも見ておきましょう。庭や駐車場に瓦の破片や漆喰の欠片が落ちていたら、屋根のどこかが損傷している証拠になります。

外壁の確認

外壁は、以前からあったひび割れが太くなっていないか、新しいひび割れが増えていないかをチェックしましょう。外壁が浮いている、欠けている、塗膜が剥がれているといった症状も要注意。

サイディングの場合は、目地(つなぎ目)の隙間が広がっていないか、目地材が抜け落ちていないかを確認してください。

シーリング(コーキング)

窓まわりや外壁の継ぎ目に使われているシーリング材に、亀裂が入っていないか、痩せて隙間ができていないか、外壁材から剥がれていないかをチェックしてください。シーリングの劣化は雨水の侵入経路になりやすいです。

ベランダ(防水)

ベランダの床面に、ひび割れ、浮き、膨れがないかを確認しましょう。排水口まわりが割れていたり詰まっていると、水はけが悪くなって防水層を傷める原因です。立ち上がり(壁との境目)に隙間ができていないかも見ておきたいところです。


ここまでチェックして、「瓦が今にも落ちそう」「雨漏りが始まった」「外壁に大きな亀裂が入っている」といった緊急性の高い症状があれば、余震でさらに悪化する前に専門業者へ点検を依頼したほうがいいでしょう。

逆に、緊急性が低ければ慌てる必要はありません。余震活動が落ち着いてから、複数の業者に相見積もりを取って比較検討したほうが、適正価格で安心して工事できます。

別業者に頼んだら20万円で済んだ理由

私が実家の屋根を目視したところ、確かに若干瓦がずれていることが確認できたので、母と相談して地元で評判の良い工務店に点検を依頼しました。結果、修理費用は20万円。最初に来た業者が提示した50万円の半額以下でした。

なぜこれほど差が出たのでしょうか。

まず、工事範囲が全く違った。 訪問業者は「屋根全体の葺き替えが必要」と言っていたが、実際に必要だったのはずれた瓦数枚の差し替えだけでした。大規模な葺き替えなどする必要はなかったのです。

次に、足場の有無。 訪問業者の見積もりには足場代が含まれていたのですが、信頼できる業者は「この規模なら梯子で対応できます」と判断してくれました。足場は一般的に15万〜25万円かかるので、これだけで大きな差になります。

そして何より、写真付きの点検報告書を出してくれたことが大きかったです。屋根のどの部分がどう傷んでいるのか、工事前後の写真とともに説明があり、なぜこの工事が必要なのかが素人目にも理解できました。訪問業者は口頭で「ずれてる」と言うだけで、具体的な証拠は何も見せなかったのです。

さらに、見積書の内訳が明確でした。「屋根補修一式:50万円」ではなく、「瓦差し替え(〇枚):〇〇円、廃材処分費:〇〇円」と項目ごとに分かれていた。これなら、何にいくらかかっているのか一目瞭然です。

母は後日「最初の業者で決めなくて本当に良かった。30万円も損するところだった」と安心していました。

この経験から学んだのは、焦って即決すると、確実に損をするということです。どんなに相手が「今すぐ直さないと危険です」と煽っても、必ず複数の業者に見積もりを取ること。それが適正価格で安心して工事する唯一の方法です。

業者の実在確認は3分でできる:見るべきポイント

私の実家に来たケースでは、チラシに書かれていた業者には法人格がなく、住所検索でも実態が見えませんでした。こうしたときは、まず「実在している事業者か」を確認します。

最低限チェックしたい項目は次のとおりです。

  • 会社名(法人格の有無)/所在地(地番まで)
  • 固定電話(携帯のみは要注意)
  • Webサイトや施工実績(所在地・代表者・問い合わせ先が一致するか)
  • 保険加入(工事保険等)や保証の説明があるか
  • 見積書が「工事項目と数量」まで分解されているか(「一式」だらけは怪しいかも)

消費者庁も、突然「無料診断」と訪問して不安をあおり、その場で契約を勧めてくる業者には注意するよう呼びかけています。少しでも怪しいと感じたら、相手の言う「緊急性」より、こちらの「確認」を優先してください。大きな地震の後で不安になっているかもしれませんが、必ず落ち着いて対応してください。

もし契約してしまったら!クーリング・オフと相談先

今回は断ってくれたからよかったですが、もし「断れずに契約してしまった」とか「不安でサインしてしまった」という場合でも、訪問販売は条件を満たせばクーリング・オフできる可能性があります。消費者庁は、契約書面を受け取った日から原則8日以内であれば、書面または電磁的記録(電子メール等)で通告して契約解除できる旨を案内しています。

迷ったら、まずは消費者ホットライン「188(いやや!)」へ。地域の消費生活センターにつながります。点検商法に関する相談窓口として国民生活センターも情報提供しています。

また、住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)等の相談先が案内されている資料もあります。

(参考資料:住宅リフォームの悪質な「点検商法」に注意(国土交通省・消費者庁))

もしトラブルがあった際の相談時に役立つので、以下はしっかり残すようにしてください。

  • 契約書、見積書、領収書、名刺、チラシ
  • やりとりの日時メモ(可能なら録音)
  • 提示された写真(スクリーンショットでも可)

まとめ

この記事のまとめ!

  • 地震の後に突然来た業者は、その場で断る(点検も工事も依頼しない)
  • 屋根に上げない!家に入れない!個人情報を絶対に書かない!
  • 地震活動がおちついたら外から状況確認(屋根・雨どい・外壁・シーリング・ベランダ)
  • 心配なら、写真報告してくれる業者で2〜3社の相見積もりをとる
  • もし契約してしまったら、電話番号188(いやや)へ相談。書面・記録はできるだけ残すこと

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