北陸の屋根雪害対策|雪で屋根・雨どいを壊さないためにできること

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富山の住宅で雪害を減らすいちばん確実な方法は、雪が積もる前に家の弱点を見つけておくことです。

富山市の初積雪の平年値は12月13日です。点検や修理を業者に頼むなら、11月中に終えておくのが現実的な目安になります。

この記事では、気象台のデータで富山の雪の量を確認したうえで、次の内容をまとめます。

  • 冬前に地上から確認したい場所
  • 雪止め・カーポートの考え方
  • 雪下ろしを自分でしないための選択肢
  • 冬前にやっておきたい火災保険の確認

すでに雪で屋根や雨どいが壊れてしまった場合は、先に雪害で屋根・雨どいが壊れたら?火災保険・修理・予防チェックをご覧ください。

先に結論

  1. 点検・修理の依頼は 11月中 を目安にする
  2. 屋根には上らない。点検は地上から、作業は業者に任せる
  3. カーポートは「耐積雪量」と「サポート柱」を確認する
  4. 火災保険に「雪災」の補償があるか、冬前に保険証券で確認する


この記事を書いた人:ガイソーラボ編集部 編集長 外山 宗兵衛(通称:ガイソー)

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外壁・屋根・雨どい修理の費用相場やDIYについての知識を、消費者として調査・編集しています。

迷う場合は、1社だけでなく、複数社の見積もりを比較してください。

富山の雪はどれくらい?気象台データで確認

富山の月別平年値(1〜3月)

月降雪の深さ合計最深積雪
1月104cm40cm
2月84cm39cm
3月17cm10cm

出典:気象庁「過去の気象データ検索/平年値(富山)」統計期間1991〜2020年

平年値は30年間の平均です。平年並みの冬でも、1〜2月には40cm前後の雪が積もると考えておきましょう。

県庁所在地で比べると、富山市は「積もる量」が多い

富山県のまとめによると、平成4年〜令和3年の平均で、富山市の累計降雪量は264cm(県庁所在地で4位)、最深積雪は53cm(青森市・札幌市に次ぐ3位)です。

富山が経験してきた豪雪

豪雪富山市の最深積雪記録されている被害
昭和38年1月豪雪(三八豪雪)186cm(高岡市伏木は225cm)全国で死者228名、住家全壊753棟
昭和56年豪雪(五六豪雪)160cm降り始めからの降雪量が2月末で693cmに達した

出典:気象庁「災害をもたらした気象事例」、富山県資料

三八豪雪を経験した世代から、「2階まで雪が積もった」という話を聞いたことがある方も多いはずです。私の身内も富山でこの冬を過ごしており、その話を聞かされて育ちました。

いま70代・80代の世代にとって、雪下ろしは「家族でやるのが当たり前」だった作業です。その感覚が、後述する事故の背景にもなっています。

豪雪は昔話ではない

2021年1月7日〜11日の大雪では、富山市の最深積雪が35年ぶりに1mを超え、24時間降雪量も観測史上最多を記録しました。

1m級の雪は祖父母の時代だけの話ではなく、この5年のうちに実際に起きたことです。

普段の冬は40cm程度でも、数年に一度は1m級の雪が来る前提で備えておくほうが安全です。

富山市の雪の季節(平年値)

項目平年値
初雪12月3日
初積雪12月13日
終積雪3月20日
終雪4月5日

出典:富山県「降積雪の経年変化」(富山地方気象台資料)

雪が消えるのは3月後半です。雪の下で進んだ傷みは、春になって初めて雨漏りとして表れることもあります。

写真:富山の冬の住宅の積雪(特定防止のため加工しています)


冬前にやる点検チェックリスト【地上からできる】

屋根に上る必要はありません。地上や2階の窓から、双眼鏡やスマートフォンのズーム機能で確認します。

場所確認するポイント放置した場合に起きやすいこと
雨どい金具の緩み、傾き、継ぎ目の外れ、落ち葉の詰まり雪の重みや落雪で曲がる・外れる
軒先・破風板塗装のはがれ、腐食、たわみ屋根雪の重さで変形しやすくなる
雪止め曲がり、外れ、さび屋根の雪が一気に落ちる
屋根材瓦のずれ、スレートの割れ、金属屋根の浮きすき間から雪解け水が入る
棟板金浮き、釘の抜け風雪で飛ばされる、雨漏りする
カーポート屋根パネルの割れ、柱のぐらつき、サポート柱の有無積雪・落雪で破損する
落雪する位置エアコン室外機・給湯器・ガスメーター・通路の真上に落ちないか設備の破損、人への落雪事故
外壁の下部ひび割れ、シーリングの切れ雪に埋もれた部分から水が入る

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異常を見つけたら、雪が降る前に修理の見積もりを取りましょう。相談先の選び方は、後半の「相談先の比較表」で紹介します。

雨どいの詰まりは冬前に解消しておく

落ち葉などで詰まった雨どいには水がたまりやすく、冬は凍って重さが増します。そこに雪の重みや落雪が加わると、金具が耐えきれなくなることがあります。

ただし、2階の雨どいの掃除は脚立の上での作業になります。無理をせず、屋根の点検と一緒に業者へ依頼するのも選択肢です。

関連記事:雪で雨どいが壊れたら火災保険は使える?雪害の条件と申請手順


雪止めは「付ければ安心」ではない

雪止めは、屋根に積もった雪が一気に滑り落ちるのを防ぐ金具です。隣家との距離が近い家や、玄関・通路・駐車場の上に雪が落ちる家では役に立ちます。

一方で、雪止めがあると屋根の上に雪がとどまる時間が長くなり、そのぶん屋根にかかる重さは増えます。

雪止めが必要かどうかは、次の条件で変わります。

  • 屋根材の種類と屋根の勾配
  • 雪が落ちる先に何があるか
  • 住宅がどの程度の積雪を想定して建てられているか

後付けは屋根の上での作業になるため、DIYではなく屋根業者に相談してください。

屋根修理の費用感は富山県の屋根修理費用はいくら?部分修理・カバー工法・葺き替えの目安で整理しています。


カーポートは「耐積雪量」と「サポート柱」を確認

一般的なカーポートは積雪20cm程度が目安

雪国向けではないカーポートは、耐積雪量20cm程度の製品が一般的です。雪の多い地域向けには、50cm・100cm・150cm・200cmといった強化タイプがあります。

富山市の平年の最深積雪(1〜2月で40cm前後)と比べると、20cm仕様のカーポートでは、冬の間に何度も雪下ろしが必要になります。

また、耐積雪量は新雪を基準に表示されていることが一般的です。締まった雪や水分を多く含んだ雪は、同じ深さでも重くなる点に注意してください。

サポート柱は「冬の間は出しておく」

積雪地向けのカーポートには、冬だけ屋根を下から支える「サポート柱」が付いている製品があります。

たとえばLIXILのカーポートの取付説明書には、積雪100cm仕様の製品でも、サポート柱を収納したままだと新雪60cm相当の強度になると記載されています。

冬が来る前に、自宅のカーポートの取扱説明書やメーカーサイトで次の2点を確認しておきましょう。

  • 耐積雪量は何cmか
  • サポート柱があるか、どう出すか

サポート柱がない製品に、汎用の突っ張り棒などを自己判断で当てるのはおすすめしません。支える位置によっては、かえって部材を傷めるおそれがあります。メーカー純正の部材があるかどうか、設置した施工店に確認してください。

雪下ろしは地上から、耐積雪量を超える前に

カーポートの雪は、屋根に乗らず、地上から柄の長い雪下ろし棒で落とします。屋根パネルを傷つけにくい先端のものを選びましょう。

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住宅の屋根からの落雪がカーポートに直撃する配置の場合は、耐積雪量に関係なく壊れることがあります。新設や建て替えのときは、置き場所から見直す価値があります。

関連記事:カーポートが雪で壊れたら火災保険は使える?倒壊・破損の確認ポイント


【PR】冬前の点検・修理はどこに相談する?

状況によって、向いている相談先が変わります。

いまの状況相談先の例向いている人
雪止め・棟板金・屋根材の不具合を、雪が降る前に直したい屋根修理の見積もりサービス屋根の点検と見積もりをまとめて頼みたい
屋根と外壁をまとめて見てもらいたい外壁・屋根の一括見積もり塗装など外装全体の時期も近い
雪や風ですでに壊れた箇所がある火災保険申請サポート保険が使えるか判断がつかない

見積もりは1社で決めず、工事内容と金額を複数社で比べてください。

※保険金の支払いを保証するものではありません。契約内容や損害原因によって補償対象外となる場合があります。


雪下ろしは「自分で屋根に上らない」前提で考える

実家の親が、いまも自分で屋根に上っていませんか

昭和の三八豪雪や五六豪雪を子どものころに経験した世代が、いま70代・80代です。「昔からやっているから」と、ひとりで屋根に上ってしまう家は珍しくありません。

帰省したときに、次の3つだけ確認してみてください。

  1. 屋根に雪止めが付いているか
  2. カーポートのサポート柱が出してあるか
  3. 雪下ろしを誰がやっているか

国土交通省の資料によると、令和6年度冬期の除雪作業中の死者は34人(令和7年2月5日時点)でした。

そのうち65歳以上が約9割を占め、死亡原因の約8割は屋根からの転落や落雪によるものです。

北陸では、昔から家族で屋根の雪下ろしをする家庭も少なくありません。

ただ、事故の多さを考えると、住宅の屋根雪下ろしは業者や地域の支援制度を使う前提で、冬前に準備しておくのが安全です。

冬前に準備しておきたいこと

  • 雪下ろしを頼める業者の連絡先を控えておく
  • 住宅がどの程度の積雪を想定して建てられているか、新築時の資料や建てた工務店に確認する
  • 高齢の家族だけで住んでいる場合は、市町村の支援制度を確認する

富山市の支援制度

富山市には「ひとり暮らし高齢者等屋根雪おろし支援事業」があり、屋根の雪下ろしなどの費用が補助されます。

対象は、積雪がおおむね1mを超えた地区に住む、65歳以上のひとり暮らし世帯や高齢者のみの世帯などです(令和5年度の案内時点)。

最新の条件や申請方法は、富山市に確認してください。

富山市以外にお住まいの場合も、市町村の窓口に同様の制度がないか問い合わせてみましょう。


大雪のあと・雪解け後に確認する場所

大雪が落ち着いたら、地上から次の点を確認します。

  • 雨どいが曲がったり外れたりしていないか
  • 軒先が変形していないか
  • 屋根材や雪止めが落ちていないか
  • カーポートが傾いていないか
  • 天井や壁に新しい染みがないか(雪解け後に出ることもあります)

異常を見つけたら、修理の前に写真を残してください。写真の撮り方や火災保険の確認手順は、雪害で屋根・雨どいが壊れたら?で詳しく解説しています。


冬前に火災保険の「雪災」補償を確認しておく

雪の重みや落雪による突発的な損害は、火災保険の雪災補償の対象になる可能性があります。ただし、補償があるかどうかは契約次第です。壊れてから慌てないよう、冬前に保険証券で次の点を見ておきましょう。

確認項目見るポイント
雪災補償の有無「風災・雹災・雪災」が補償に含まれているか
自己負担額(免責金額)損害額から差し引かれる金額はいくらか
補償の対象建物本体だけか、カーポートなど敷地内の設備も含まれるか
契約の古さ古いタイプの契約には、損害額が一定額以上でないと支払われない形式のものがある

保険金の請求権は、保険法により原則3年で時効になります。雪解け後に気付いた被害も、写真と発見日を記録したうえで、早めに保険会社や代理店へ相談してください。

経年劣化やさび・腐食そのものは、雪災補償の対象外です。「火災保険を使えば無料で直せる」と勧誘してくる業者には注意しましょう。

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※保険金の支払いを保証するものではありません。


よくある質問

富山では何月までに雪対策をすればいいですか?

富山市の初積雪の平年値は12月13日です。業者に点検や修理を頼む場合は、11月中に終えておくのが目安です。

雪止めは付けたほうがいいですか?

雪が落ちる先に通路・車・隣家がある場合は、検討する価値があります。ただし屋根に雪が残るぶん重さもかかるため、屋根材や住宅の条件を踏まえて屋根業者に相談してください。

カーポートの雪は何cmで下ろせばいいですか?

製品ごとの耐積雪量が基準です。表示は新雪を基準にしていることが多いため、余裕をもって早めに下ろしましょう。サポート柱がある製品は、冬の間は出しておきます。

雪で壊れたら火災保険は使えますか?

雪の重みや落雪による突発的な損害であれば、雪災補償の対象になる可能性があります。経年劣化は対象外です。詳しくは雪害で屋根・雨どいが壊れたら?をご覧ください。


まとめ

  • 富山市の最深積雪は平年で1〜2月に40cm前後。数年に一度は1m級の大雪もある
  • 点検・修理は、初積雪の平年値(12月13日)より前の11月中を目安にする
  • 雪止めやカーポートは「付いているか」より「家の条件に合っているか」で考える
  • 屋根の雪下ろしは自分で上らない前提で、業者や支援制度を確認しておく
  • 火災保険の雪災補償の有無は、冬前に保険証券で確認する
  • 実家の親が、いまも自分で雪下ろしをしていないか確認する

離れて暮らす実家の屋根が心配な場合も、同じように点検を依頼できます。


参考資料

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