この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
屋上やバルコニーなど、建物の防水性能を確保するために欠かせないのが「防水工事」です。
その中でも「ゴムシート防水」は、耐久性と柔軟性に優れ複雑な形状の箇所にも対応しやすいため、多くの建物で採用されています。
本記事では、ゴムシート防水の施工方法を「接着工法」と「機械的固定工法(絶縁工法)」の2つに分けて詳しく解説します。
また、塩ビシートとの違いや、施工時のポイントについても触れていますので、防水工事を検討している方はぜひ参考にしてください。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
ゴムシート防水は、工場で製造された加硫ゴム製のシートを現場で貼り付けることで防水層を形成する工法です。
高い柔軟性と耐候性を持ち、建物の動きや複雑な形状にも追従しやすい点が特長です。
この章では、ゴムシート防水の基本的な特徴や、塩ビシート防水など他のシート防水との違いについて詳しく解説します。
シート防水には、主に「加硫ゴム系」と「塩化ビニル系(塩ビ)」の2種類があります。
これらはいずれも工場で製造された防水シートを現場で貼り付けて防水層を形成する工法で、施工性に優れており、均一な品質が保たれやすいのが特長です。
加硫ゴム系は高い柔軟性と伸縮性を持ち、建物の動きに追従しやすく、特に複雑な形状や改修工事に適しています。
一方、塩ビ系シートは溶着による継ぎ目処理が容易で、広面積の施工や新築物件で多く採用されています。
それぞれに適した用途があり、施工現場の状況に応じて選定することが重要です。
加硫ゴム系シートと塩化ビニル系シートは、素材の特性により性能や施工性に明確な違いがあります。
加硫ゴムは、ゴム特有のしなやかさと伸びがあり、複雑な形状や動きの大きい下地にも対応しやすいのが特長です。
一方で、紫外線に弱くトップコートで保護しなければなりません。
対して塩ビシートは、施工時に熱風で溶着できるため継ぎ目の防水性が高く、作業効率にも優れています。
加硫ゴム系よりも耐候性・水密性に優れているため、価格は高くなる傾向にあります。
価格や工期、現場条件を総合的に判断し、最適なシートを選ぶことが大切です。
接着工法は、下地にプライマーと接着剤を塗布し、その上にゴムシートを貼り付けて密着させる施工方法です。
新築工事や下地が良好な場合に用いられ、安定した防水性能を発揮します。
この章では、接着工法における基本的な施工手順を5つのステップに分けて、わかりやすく説明します。
防水施工の品質を左右する最初の重要工程が下地清掃です。
ほこり・砂・油分・水分などが残っていると、接着剤やプライマーの密着性が低下し、防水層の浮きや剥がれにつながります。
水分がある場合は十分に乾燥させ、施工面を完全に乾いた状態に整えることが大切です。
また、凹凸がある場合は不陸調整を行い、平滑な面を確保します。
プライマーは、下地と接着剤または防水シートの密着性を高めるための下塗り材です。
塗りムラがあると施工不良の原因となるため、均一に塗布する必要があります。
施工にはローラーや刷毛を使用し、床面だけでなく立ち上がり部などの細部にも丁寧に塗り込みます。
塗布後は季節や気温に応じた適切な時間を置いて乾燥させます。
完全に乾いたことを確認してから次の工程に進むことが、シートの密着性と耐久性を高めるうえで欠かせません。
プライマー乾燥後、下地とゴムシートの両面に専用接着剤を塗布します。
接着剤は均一な厚みになるようローラーやヘラで伸ばし、塗布ムラを防ぐことがポイントです。
塗布後は乾燥時間をしっかり確保し、指で触れて糸を引かない程度の「半乾き状態」になったことを確認してからシートを貼り付けます。
乾燥不十分や過乾燥は密着不良の原因になるため、施工管理が重要です。
接着剤が適切に乾燥したら、いよいよゴムシートの貼り付け工程です。
あらかじめ所定の寸法にカットしたシートを、貼り始めの基準位置に合わせて配置します。
作業中はしわやたるみが出ないよう、中央から外側へ空気を押し出すようにローラーで圧着します。
継ぎ目部分は重ね幅を確保し、後から溶着または接着処理を施すことで防水性を確保します。
この工程は防水層の完成度に直結するため、丁寧で確実な施工が必要です。
シートの表面保護と耐候性向上のため、最後にトップコートを塗布します。
トップコートは紫外線・熱・酸性雨などの影響からシートを守り、防水性能を長持ちさせる役割があります。
施工にはローラーや刷毛を用い、均一な厚みで2回塗りが一般的です。
乾燥時間をしっかり取り、十分に硬化させることで、仕上がりの美観と耐久性が大きく向上します。
定期的なトップコートの再塗布も、長期的なメンテナンスとして効果的です。
機械的固定工法(絶縁工法)は、既存防水層の上から新たな防水層を設ける改修工事に多く採用される方法です。
下地との間に通気層を設け、アンカーや金具で物理的にシートを固定することで、浮きや膨れを防ぎながら耐久性の高い防水層を実現します。
この章では、改修に適したこの工法の施工手順を順を追って紹介します。
機械的固定工法では既存の防水層を撤去せず、その上から新たな防水層を施工することもできるため、下地処理が非常に重要です。
まずは、表面に浮きや割れ、劣化がないかを目視と打診で確認し、不良箇所は補修モルタルなどで整えます。
また、ホコリやゴミを除去し、平滑な状態に整えることで、後工程の絶縁シートや固定金具の施工精度が向上します。
絶縁シートは、防水層と下地の間に通気層を形成するために使用されます。
これにより下地からの水蒸気や湿気が防水層に影響を及ぼすのを防ぎ、防水層の「膨れ」や「浮き」を抑制できます。
シートはジョイント部を重ねて施工し、ズレ防止のために仮留めまたは接着を行うこともあります。
下地の形状や勾配に応じて丁寧に敷き詰めることが重要で、シートにシワがないかを確認しながら進めます。
絶縁シートの上に防水シートを機械的に固定するための金具(ディスクプレートなど)を設置します。
金具は専用アンカーを使って下地に直接固定し、等間隔で配置することで風圧や経年劣化に対する強度を確保します。
配置間隔は建物の立地や高さ、設計条件によって異なりますが、一般的には600〜900mm間隔で設置されます。
この工程では金具が水平に設置されているか、所定のトルクで固定されているかを確認することが大切です。
固定金具の設置後、ゴムシートを上から敷設していきます。
シートは金具の位置に合わせて配置し、しわや浮きが出ないようにローラーで圧着します。
重ね部分は規定の幅を確保し、ジョイント部には溶着処理または接着処理を施して水密性を高めます。
金具とシートは特殊なキャップなどで一体化させることもあり、風によるめくれやシートのズレを防止する仕組みが採られています。
施工の最終工程として、ゴムシートの耐久性を保つためにトップコートを塗布します。
紫外線や熱、風雨からシートを保護する役割があり、防水層の劣化を遅らせる効果があります。
施工はローラーや刷毛で行い、2回塗りが一般的です。
機械的固定工法ではシートの露出部分が多いため、トップコートの仕上がりが長期性能に直結します。
メーカー指定の塗布量と乾燥時間を守り、均一で美しい仕上がりを心がけることが大切です。
この記事のまとめ!
- ゴムシート防水は柔軟性と耐久性に優れたシート防水工法
- 防水シートには「加硫ゴム系」と「塩化ビニル系」がある
- 接着工法は下地の状態が良好な場合に用いられる
- 機械的固定工法は既存防水層を撤去せずに施工できる改修向けの方法
- 下地処理や仕上げ工程を丁寧に行うことが大切
ゴムシート防水は、柔軟性・耐候性に優れた防水工法で、特に改修工事や複雑な形状の屋上に適しています。
接着工法と機械的固定工法の2種類があり、現場条件に応じた選定が重要です。
正しい施工手順を理解し、信頼できる業者に依頼することが長持ちの秘訣です。
外装リフォームはクロスの張り替えのような工事とは違い、足場を設置した大掛かりな工事です。
そのため、リフォーム工事の中でも比較的高額な費用が発生する工事になります。
リフォーム費用を抑えるためには、以下のような方法があります。
- 複数業者から相見積もりを取得して価格を比較する
- 国や自治体の補助金・助成金制度を活用する
しかし、ひとくちに業者といっても無数に存在するため、どの業者を選べば良いのか迷っているという方も少なくありません。
そこでおすすめしたいのが『ヌリカエ』というサービスです。
全国の外装リフォーム業者から見積もりを取得できるほか、簡単な質問に答えるだけでお住まいの地域で助成金が活用できるのかを確認することができます。
「どこから手を付けていけばいいのか分からない…」
「あまり手間をかけずに優良業者を探したい…」
このようにお考えの方は、ヌリカエのようなサービスを積極的に活用してみましょう。
助成金もわかる相場算定サイト