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雨漏りは、住宅の維持管理において大きな問題の一つです。
特に突然の雨漏りが発生した場合、その修理費用は高額になることも少なくありません。
そのため、多くの人が「火災保険で雨漏りの修理ができるのか？」と疑問を持つでしょう。
火災保険は「火事」による損害だけでなく、自然災害による建物被害にも適用されることがあります。
しかし、すべての雨漏りが補償対象になるわけではなく、「どこまで適用されるのか？」を知ることが重要です。
本記事では、火災保険が適用される雨漏りの範囲や適用条件、さらに具体的な事例を紹介しながら詳しく解説します。
株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
突然の雨漏りは住宅の安全性や快適性を大きく損なうだけでなく、修理費用の負担も重くのしかかります。
そのため、「火災保険で雨漏りの修理ができるのか？」と疑問に思う方も多いでしょう。
火災保険は火事だけでなく、自然災害による建物の損傷にも適用されることがありますが、すべての雨漏りが補償されるわけではありません。
では、火災保険では具体的にどこまで雨漏りの修理費をカバーできるのでしょうか？
本章では、保険適用の条件や対象となるケース・対象外となるケースについて詳しく解説します。
火災保険では、台風や強風、大雪、雹（ひょう）による建物の損害が補償対象となります。
例えば、台風で屋根の瓦が飛ばされたり、強風で飛来物が当たって破損し、そこから雨漏りが発生した場合は保険の適用が可能です。
また、雹によって屋根に穴が開いた場合も補償されるケースが多いです。
ただし、被害の程度や契約内容によっては自己負担が発生することもあるため、事前に契約を確認し適切に申請することが重要です。
例1：台風・強風による屋根の損傷
台風や強風が原因で屋根が損傷し、そこから雨水が浸入した場合は火災保険の補償対象になることが多いです。
例えば、強風で瓦が飛ばされたり、スレート屋根が浮いてしまったりすると雨漏りが発生する可能性があります。
このようなケースでは、風災補償を利用して修理費をカバーできます。
ただし、保険適用には「被害が自然災害によるもの」と証明する必要があるため、被害発生後は速やかに写真を撮り、専門業者に点検を依頼することが大切です。
例2：雹（ひょう）が原因で屋根が破損し雨漏りが発生
雹（ひょう）が降ると屋根や外壁に衝撃を与え、ひび割れや穴が生じることがあります。
特にスレートや金属屋根の場合、直径1cm以上の雹によって損傷しやすく、そこから雨水が侵入して雨漏りが発生することもあります。
このような場合、火災保険の「雹災補償」によって修理費用をカバーできる可能性があります。
ただし、経年劣化による破損と区別される必要があるため、保険申請の際は雹が降った日時や被害状況を記録し、証拠をしっかり残しておくことが重要です。
例3：突風・強風で飛来物が屋根に当たり損傷し雨漏り発生
突風や強風が吹くと、看板や樹木の枝、瓦の破片などが飛来し、屋根や外壁に当たることで損傷が生じることがあります。
その結果、建物に穴が開いたり、亀裂が入ったりして雨漏りが発生することがあります。
このようなケースは火災保険の「風災補償」の対象となるため、修理費を保険でカバーできる可能性が高いです。
ただし、損傷が軽微な場合やもともと劣化していた屋根の場合は、保険適用が難しくなることもあるため、申請時に適切な証拠を準備しておくことが重要です。
火災保険は「突発的な自然災害」による損害を補償するため、経年劣化や施工不良が原因の雨漏りは対象外となります。
例えば、屋根や外壁の老朽化により隙間ができた場合や、新築時の施工ミスによる雨漏りは保険の適用を受けることができません。
また、定期的なメンテナンス不足による損傷も補償外です。
これらのケースでは、修理費用は自己負担となるため、日頃の点検やメンテナンスを怠らないことが大切です。
例1：経年劣化や老朽化による屋根・外壁の傷み
屋根や外壁は、長年の風雨や紫外線の影響を受けることで徐々に劣化し、ひび割れや隙間が生じることがあります。
このような経年劣化や老朽化による雨漏りは、火災保険の補償対象にはなりません。
例えば、ゲリラ豪雨で起きた雨漏りなども、原因は経年劣化であることが多いので注意が必要です。
火災保険は「突発的な災害による被害」を対象とするため、自然な劣化は自己負担での修理が必要です。
そのため、雨漏りを未然に防ぐためには、定期的な点検やメンテナンスを行い、屋根材や防水シートの劣化を早めに修理することが大切です。
例2：施工不良（建築時の手抜き工事など）による雨漏り
新築やリフォームの際に施工ミスがあると適切な防水処理が行われず、数年後に雨漏りが発生することがあります。
例えば、屋根の勾配が適切でなかったり、防水シートの施工が不十分だったりすると雨水が浸入しやすくなります。
このような施工不良による雨漏りは、火災保険の補償対象外となります。
施工ミスが疑われる場合は、施工業者に修理を依頼するか、保証期間内であれば補償を受けられる可能性があるため、契約内容を確認することが重要です。
例3：屋根のメンテナンス不足（定期点検を怠ったことによる被害）
屋根は日々の風雨や紫外線にさらされているため、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。
しかし、点検を怠ると小さなひび割れや剥がれを見逃し、それが原因で雨漏りが発生することがあります。
このようなメンテナンス不足による雨漏りは火災保険の対象外となり、修理費は自己負担になります。
特に築年数が経過した建物では、定期的な点検を行い必要に応じて補修を行うことで、雨漏りのリスクを減らすことが大切です。
火災保険で雨漏りの修理ができるかどうかは、保険会社や契約内容によって異なります。
例えば、台風や強風による屋根の破損が原因なら補償されるケースが多いですが、経年劣化や施工不良が原因の雨漏りは対象外となることがほとんどです。
そのため、自分の契約内容をしっかり把握し、万が一の際にどこまで補償を受けられるのかを事前に確認しておくことが大切です。
本章では、主要な保険会社（損保ジャパン、三井住友海上、東京海上日動）の対応を参考にしながら、どのような基準で補償が判断されるのかを見ていきましょう。
雨漏りは火災保険で補償されますか？
台風などにより屋根の一部が壊れ、そこから雨が吹き込み、保険の対象が損害を受けた場合は補償されます。
ただし、台風により屋根が飛んだり窓が割れたりした訳ではないが、老朽化やもともとあった隙間などから、自然と大雨がしみ込んできた場合などは補償されません。
損保ジャパン 個人用火災総合保険『THE すまいの保険』
損保ジャパンでは、台風などにより屋根の一部が破損し、そこから雨が吹き込んで損害が生じた場合は火災保険の補償対象となります。
ただし、老朽化やもともとあった隙間からの雨漏りなど、自然災害が直接の原因でない場合は補償されません。
【火災保険】開けていた窓から雨が吹き込んでしまった場合の損害は補償されますか？
いいえ、補償されません。
ただし、台風などの強風による飛来物によって窓が割れ、雨や風が吹き込んだ場合は、風災として補償されます。
損害が発生した場合は当社事故受付センターにご連絡ください。
三井住友海上 すまいの火災保険
後日、担当の保険金お支払センターよりお支払いの可否やご請求方法について連絡します。
三井住友海上では、台風や暴風雨などの風災による損害は補償対象となりますが、吹込みや雨漏りなどによる損害は除かれるとされています。
【自然災害】台風・竜巻等の強風、雹(ひょう)、雪の後、雨漏りが発生し、天井や壁が濡れてしまいました。火災保険で保険金は支払われますか？
雨漏りによる建物内部の被害は、建物の外側の部分が台風・竜巻等の強風、雹(ひょう)、雪によって破損したために生じた場合に限り、保険金のお支払い対象となります。
東京海上日動 住まいの保険
東京海上日動では、台風などの強風や雹（ひょう）、雪によって建物の外側が破損し、その結果として雨漏りが発生した場合、火災保険の補償対象となります。
この記事のまとめ！
- 台風・強風・雹（ひょう）などの自然災害が原因の損害が対象
- 経年劣化や施工不良、メンテナンス不足による雨漏りは補償対象外
- 適用条件を満たしているか事前確認が必要
- 被害が発生したら速やかに保険会社へ連絡する
火災保険で雨漏りが補償されるかどうかは、原因によって異なります。
台風や強風、雹（ひょう）などの自然災害による屋根や外壁の損傷が原因で雨漏りが発生した場合、多くの保険会社で補償対象となります。
しかし、いずれの保険会社も経年劣化や施工不良、メンテナンス不足による雨漏りは補償されません。
各保険会社によって適用条件が異なるため、契約内容を事前に確認し、被害が発生した際は迅速に保険会社へ連絡し対応することが大切です。
