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スレート屋根は、日本の住宅で広く採用されている屋根材の一つです。
軽量でコストを抑えられることから、多くの戸建て住宅やアパートに使用されています。
しかし、「スレート屋根の寿命はどれくらい?」「メンテナンスは必要?」「リフォームするならどの方法が最適?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
スレート屋根は適切なメンテナンスを行うことで、より長く安全に使用することができます。
一方で、放置すると劣化が進み、雨漏りや断熱性の低下などの問題が発生することもあります。
さらに過去に製造されたスレート屋根の中にはアスベストが含まれているものもあり、見分け方や対処方法を知っておくことが重要です。
本記事では、スレート屋根の基本構造や種類、寿命、メンテナンス方法、リフォームの選択肢まで詳しく解説します。
スレート屋根の特徴を正しく理解し、適切な対応ができるようにしていきましょう。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
スレート屋根は、軽量でデザイン性に優れた屋根材として、多くの住宅やアパートに採用されています。
しかし、スレート屋根の仕組みや構造について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
屋根は家を守る重要な役割を担っており、その構造を理解することは適切なメンテナンスやリフォームの判断にもつながります。
この章では、スレート屋根の基本的な構造や種類について詳しく解説します。
天然スレートと化粧スレートの違いや、スレート屋根がどのように作られているのかを知ることでより安心して屋根を維持できるようにしましょう。
スレート屋根とは、セメントや繊維を主原料とする「化粧スレート」や、天然石を加工して作られる「天然スレート」を用いた屋根のことです。
特に日本の住宅で使われているスレート屋根のほとんどは「化粧スレート」に分類され、軽量かつ施工コストが比較的安価であることが特徴です。
スレート屋根の基本構造は、以下のように構成されています。
- 野地板(のじいた):屋根の土台となる下地の板
- 防水シート(ルーフィング):雨水の浸入を防ぐためのシート
- スレート材:最も表面にある屋根材
このようにスレート屋根は単層構造ではなく、複数の部材によって成り立っており、それぞれの役割が重要になります。
スレート屋根には大きく分けて天然スレートと化粧スレート(人工スレート)の2種類があります。
天然スレートは粘板岩を薄く加工した高級屋根材で、耐久性が高く50年以上の寿命がありますが、コストが高く施工も難しいのが特徴です。
一方、化粧スレートはセメントと繊維を原料とした人工の屋根材で、軽量かつ施工しやすくコストも比較的安価です。
多くの住宅では化粧スレートが採用されていますが、定期的なメンテナンスが必要となります。
スレート屋根の一般的な寿命は20~30年とされています。
ただし、メンテナンスの有無や設置環境によってこれらの耐用年数は変わります。
適切な補修を行えば30年以上使用することも可能ですが、放置すると劣化が早まり、ひび割れや雨漏りのリスクが高まります。
また、2000年代以前のスレートにはアスベストが含まれている可能性があり、劣化時の処理には注意が必要です。
寿命を延ばすためには、定期的な点検と適切なメンテナンスが重要です。
「スレート屋根」と「コロニアル」は混同されがちですが、コロニアルはスレート屋根の一種です。
コロニアルは、ケイミュー(旧クボタ)が販売する化粧スレートのブランド名で、日本の住宅で広く採用されています。
つまり、コロニアル=化粧スレートの一種ということになります。
スレート屋根には他メーカーの製品も存在しますが、コロニアルは知名度が高いため、「スレート屋根=コロニアル」と認識されることが多くなっています。
1980年代~2000年初期までに製造されたスレート屋根には、アスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。
見た目だけで判断するのは難しいですが、以下のポイントをチェックしましょう。
- 築年数を確認(2004年以前の住宅は注意)
- メーカー・型番を確認(製品名を調べる)
- 専門業者に依頼して調査してもらう
アスベスト含有のスレート屋根は、撤去や処分に特別な手続きが必要になるため、事前に確認することが大切です。
スレート屋根を製造・販売している主要メーカーは以下の通りです。
- ケイミュー(化粧スレート)
- 富士スレート(天然スレート)
- 大和スレート(波型スレート)
メーカーごとに特徴が異なるため、新築やリフォーム時には事前に比較すると良いでしょう。
なお、波型スレートは工場や倉庫の屋根に使用されているタイプなので、倉庫の改修工事を検討している方はチェックしてみましょう。
スレート屋根は比較的メンテナンスがしやすい屋根材ですが、適切な方法で手入れをしなければ劣化が進み、屋根本来の機能を十分に発揮できなくなることがあります。
「スレート屋根の塗装は意味がないのでは?」「リフォームを考えているけど、どの方法がいいの?」と悩む方も多いでしょう。
スレート屋根の状態を長く維持するためには、その構造を理解し、最適なメンテナンス方法を選ぶことが大切です。
ここでは、スレート屋根の塗装メンテナンスの必要性やリフォーム時におすすめのカバー工法について詳しく解説します。
適切な対策を知り、屋根の寿命を延ばすためのヒントを学んでいきましょう。
「スレート屋根の塗装は意味がない」と言われることがありますが、これは防水機能を保つという意味合いにおいて塗装が意味ないということです。
スレート屋根の塗装は美感性維持を目的にしているため、すでに劣化が進んでいるスレート屋根に塗装を施しても根本的な補修にはなりません。
すでにスレートが割れていたり、屋根材が反っている場合は、塗装よりもカバー工法や葺き替えの検討が必要です。
ただし、建物を綺麗に維持するための美観目的や、遮熱塗料などを採用して機能性を向上させるという観点から塗装は必要といえるでしょう。
スレート屋根のリフォーム方法として、昨今はガルバリウム鋼板を使ったカバー工法が注目されています。
カバー工法とは、既存のスレート屋根を撤去せず、その上から新しい屋根材を重ねて施工する方法です。
この方法の最大のメリットは、撤去費用を抑えられることです。
特に2004年以前に設置されたスレート屋根にはアスベストが含まれている可能性があり、撤去処分には高額な費用がかかることがあります。
しかし、カバー工法なら既存屋根を残すため、アスベスト処理の費用が不要になります。
また、ガルバリウム鋼板は耐久性・防水性・断熱性に優れ、スレートよりも長寿命なため、一度施工すれば長期的な安心が得られます。
スレート屋根の劣化が進んでいる場合、単なる塗装では対応しきれないこともあります。
コストを抑えつつ屋根を長持ちさせるには、カバー工法が有効な選択肢となるでしょう。
この記事のまとめ!
- スレート屋根の寿命は約20~30年
- 美感性を維持するなら適切な塗装メンテナンスが必要
- リフォーム時にはカバー工法も検討するのがおすすめ
長く快適に住み続けるためには、スレート屋根の特性を理解し、適切なメンテナンスを行うことが大切です。