ガルバリウム鋼板屋根の貼り方を徹底解説!種類から選定のポイントまで

ガルバリウム鋼板屋根の貼り方を徹底解説!種類から選定のポイントまで

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ガルバリウム鋼板は、耐久性や軽量性に優れた屋根材として広く採用されています。

しかし、一口に「ガルバリウム鋼板屋根」といってもさまざまな貼り方があり、建物のデザインや用途によって適した施工方法が異なります。

本記事では、ガルバリウム鋼板屋根の貼り方の種類とそれぞれの特徴を詳しく解説するとともに、適切な貼り方を選ぶためのポイントについても紹介します。

この記事の監修者

株式会社ライフ総建 取締役

佐藤 勇太

さとう ゆうた

プロフィール

塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。

ガルバリウム鋼板屋根の貼り方の種類

ガルバリウム鋼板屋根は、その軽量性・耐久性・防錆性に優れ、多くの建築物で採用されています。

しかし、一口に「ガルバリウム鋼板屋根」といっても、施工方法にはさまざまな種類があり、屋根の形状や建物の用途によって適した貼り方が異なります。

縦葺きや横葺きといった基本的な施工方法から、伝統的な意匠を活かした菱葺きや瓦型まで、それぞれの特徴を理解することが重要です。

本章では、ガルバリウム鋼板屋根の代表的な貼り方について詳しく解説しつつ、それぞれのメリット・デメリットや適用シーンを紹介します。

縦葺き

縦葺きは、ガルバリウム鋼板を屋根の勾配に沿って縦方向に配置する施工方法で、防水性が高くシンプルでモダンなデザインが特徴です。

雨水が流れやすく雨漏りのリスクが低いため、耐候性に優れた屋根を実現できます。

施工も比較的容易で、大きな面積の屋根でも工期を短縮できる点もメリットです。

特に緩勾配の屋根に適しており、住宅から倉庫・工場まで幅広い用途で採用されています。

一方で、長尺の鋼板を使用するため、施工時の取り扱いや運搬には注意が必要です。

また、デザインが単調になりやすいため、外観にこだわる場合はカラーや仕上げのバリエーションを工夫することが求められます。

横葺き

横葺きは、ガルバリウム鋼板を横方向に並べながら施工する方法で、遠目で見ると瓦屋根のような高級感のある外観を演出できます。

縦葺きに比べると意匠性が高く、住宅や商業施設など、デザインを重視する建物に適しています。

ただし、雨水の流れが縦葺きよりも遅くなるため、雨仕舞の処理が重要です。

特に勾配の緩い屋根では水が溜まりやすくなるため、施工時の防水対策を徹底する必要があります。

また、施工には一定の技術が求められるため、職人の技術力によって仕上がりに差が出ることもあります。

屋根のデザイン性を重視しながら、適切な施工方法を選択することが重要です。

一文字葺き

一文字葺きは横葺きの一種で、金属板を一枚ずつ精密に重ねて施工する方法です。

千鳥目地のように仕上げる貼り方なので、高級感のある外観を実現できます。

ただし、施工には高度な技術が必要で、一般的な横葺きよりも手間とコストがかかる点がデメリットです。

そのため、歴史的建造物や高級住宅、寺社仏閣など、意匠性と品質を重視する建築物に採用されることが多いです。

施工費用が高めになるものの、美観と機能性の両方を兼ね備えた屋根を求める場合に最適な選択肢となります。

平葺き

平葺きは、フラットなガルバリウム鋼板を横方向に並べて施工する方法で、シンプルでモダンなデザインが特徴です。

シンプルなデザインを好む住宅や、工場・倉庫などの建物で採用されることが多いです。

一方で、他の葺き方に比べるとデザイン性に乏しく、単調になりがちというデメリットがあります。

瓦型

瓦型は、ガルバリウム鋼板を日本瓦の形状に成形した屋根材を使用する施工方法です。

伝統的な和風建築のデザインを維持しながら、軽量で耐震性に優れた屋根を実現できます。

本物の瓦と比べて施工が容易でコストも抑えられるため、和風住宅や古民家のリノベーションなどに適しています。

また、金属製のため割れることがなく、耐久性にも優れています。

ただし、完全に本物の瓦の質感を再現するのは難しく、細部のデザインによってはややチープに見えることもあります。

菱葺き

菱葺きは、菱形にカットしたガルバリウム鋼板を組み合わせて施工する方法で、独特の幾何学模様が生まれ、高級感のある外観が特徴です。

伝統的な建築物や意匠性を重視した住宅・商業施設などに採用されることが多いです。

一方で、施工には高い技術が求められ、コストがかかる点がデメリットです。

また、屋根の形状によっては施工が難しくなることもあるため、事前の設計と計画が重要になります。

亀甲葺き

亀甲葺きは、六角形のガルバリウム鋼板を組み合わせて施工する方法で、蜂の巣状の独特なデザインが特徴です。

非常に個性的な外観を持ち、デザイン性を重視する建築物に適しています。

また、耐風性や耐水性にも優れており、機能面でも優れた性能を発揮します。

しかし、菱葺きと同様に施工には高度な技術が必要であり、一般的な屋根よりもコストがかかる点がデメリットです。

美観と耐久性を兼ね備えた屋根を求める場合には最適な選択肢となります。

折板

折板は、波形や山形に加工されたガルバリウム鋼板を使用する施工方法で、強度が非常に高く大型建築物に適した屋根材です。

雨仕舞にも優れ、工場・倉庫・体育館などの大規模施設に多く採用されています。

金属の剛性を活かし、大きなスパンを確保しながら屋根を構成できるため、柱の少ない広い空間を実現できます。

ガルバリウム鋼板屋根の貼り方選定のポイント

ガルバリウム鋼板屋根の施工方法には多くの種類がありますが、どの貼り方を選ぶべきかは、屋根の勾配や建物のデザイン、施工時の納まりなど、さまざまな要因によって決まります。

適切な方法を選ばないと、見た目のバランスが悪くなったり、雨仕舞の不備から雨漏りの原因になったりする可能性があります。

本章では、ガルバリウム鋼板屋根の施工方法を選定する際に考慮すべきポイントについて解説し、建物に最適な貼り方を見極めるための基準を紹介します。

屋根勾配に適した方法を選ぶ

屋根の勾配は、ガルバリウム鋼板屋根の施工方法を選ぶ際に重要な要素の一つです。

勾配が緩い場合、雨水の流れが遅くなるため、防水性の高い縦葺きが適しています。

特に2寸勾配(約10度)以下の屋根では横葺きは不向きとされており、雨仕舞を考慮して適切な施工方法を選ぶことが必要です。

一方で、勾配が急な屋根ではデザイン性を重視することが可能になり、横葺きや一文字葺き、瓦型などの選択肢が広がります。

また、勾配の角度によっては、鋼板の固定方法や継ぎ目の処理にも影響が出るため、雨仕舞の工夫が必要になります。

適切な勾配に応じた施工方法を選ぶことで、耐久性と美観の両立が可能となります。

細かい納まり部分も考慮する

ガルバリウム鋼板屋根を施工する際には、軒先・棟・ケラバ・谷樋などの細かい納まりを考慮することが不可欠です。

特に棟部分の処理が不十分だと、強風時に屋根材が飛ばされるリスクが高まります。

また、屋根と壁の接合部や雨どいの取り付け部分は、適切な水切り板金を設置し、雨水の浸入を防ぐ工夫が必要です。

さらに縦葺きの場合は重ね目の向きを風向きに合わせるなど、細かな調整も重要です。

これらのポイントを考慮しないと、施工後の雨漏りや劣化の原因となるため、事前の計画と適切な施工が重要になってきます。

そのため、屋根の納まりをしっかり設計した上で、適切な方法を選択しましょう。

建物に合ったデザインを選ぶ

ガルバリウム鋼板屋根は建物のデザインに大きく影響を与えるため、外観の統一感を考慮して施工方法を選ぶことが重要です。

例えば、モダンな住宅にはシンプルな縦葺きや横葺きが適していますが、和風建築には瓦型や菱葺きが調和しやすいです。

また、商業施設や公共建築では、独創的なデザインを実現できる亀甲葺きや菱葺きが採用されることもあります。

さらに周囲の景観や建物の用途に応じた屋根材のカラーや仕上げを選ぶことで、より一体感のあるデザインに仕上げることができます。

機能性だけでなく、建物の美しさも考慮した施工方法を選ぶことが、理想的な屋根を実現するポイントとなります。

まとめ

この記事のまとめ!

  • 耐久性と施工のしやすさを重視するなら縦葺き。
  • デザイン性を追求するなら横葺き。
  • 工場や倉庫などの大規模建築には折板。

ガルバリウム鋼板屋根の施工方法にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴と適用用途があります。

建物の用途やデザインに適した施工方法を選び、長期間にわたって安心して使用できる屋根を実現しましょう。