アスベストサイディングとは?種類や見分け方・処分費用まで徹底解説!

アスベストサイディングとは?種類や見分け方・処分費用まで徹底解説!

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アスベスト(石綿)は、かつて建材として広く使われていた繊維状鉱物であり、耐熱性・耐久性・断熱性に優れることから、外壁材であるサイディングにも用いられていました。

しかし、アスベストの吸引による健康被害が社会問題となったことで、現在では製造・使用が禁止されています。

特に築20年以上の住宅では、今もなおアスベストを含むサイディングが使用されているケースが多く、リフォームや解体時には細心の注意が必要です。

本記事では、「アスベストサイディング」について、その概要や種類、見分け方、除去・処分にかかる費用まで、最新の情報と信頼性のあるソースに基づいて解説します。

外壁にアスベストが含まれているか不安な方、今後のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

株式会社ライフ総建 取締役

佐藤 勇太

さとう ゆうた

プロフィール

塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。

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アスベストサイディングとは?

アスベストサイディングとは、外壁材であるサイディングのうち、アスベスト(石綿)を含有した製品を指します。

特に1970年代〜1990年代にかけて製造された窯業系や金属系のサイディング材に多く使用されており、外壁材の強度や耐久性を高める目的で用いられていました。

しかし、アスベスト繊維を吸い込むことで「中皮腫」や「肺がん」などの重篤な健康被害を引き起こすことが判明し、2006年には全面的に製造・使用が禁止されました。

それ以前に建てられた住宅や建物には、現在もなおアスベスト含有のサイディングが残っている可能性があります。

国土交通省や環境省は、解体やリフォーム時の飛散防止措置を義務化しており、建物所有者や施工業者には高い注意義務が課されています。

アスベストサイディングの種類

アスベストを含むサイディングと一口に言っても、その構造や素材によってリスクの大きさや対処法は異なります。

本章では、外壁表面が金属で内部に石綿が使われる「複合金属系」と、セメント基材に繊維補強材として石綿が混入された「窯業系」という二つの代表的タイプを取り上げ、それぞれの製造年代や特徴、解体時の注意点を整理します。

まずは自宅の外壁がどちらに該当するのかを把握することが、適切な安全対策を講じるうえで大切です。

石綿含有建材複合金属系サイディング

複合金属系サイディングは、表面にカラー鋼板やアルミニウムなどの金属を使用し、裏側に断熱材やセメント系の基材を充填した構造を持つ外壁材です。

1970〜1980年代にかけて普及した一部製品には、下地の結合補強や断熱層の耐火性向上を目的として、内部にアスベスト(石綿)が使用されていました。

外観が金属製であるため一見すると安全そうに見えますが、内部にアスベストを含む場合があるため、解体時には飛散リスクがある点に注意が必要です。

とくに築年数が30年以上経過している建物では、専門的な調査による確認が必要です。

製品の構造上、外壁から直接アスベストが露出することは少ないものの、解体・加工時には適切な飛散防止措置が必要です。

石綿含有窯業系サイディング

窯業系サイディングは、セメント質に補強繊維としてアスベストを混ぜて成型した外壁材で、1980年代から1990年代初頭にかけて主流となっていました。

耐火性・耐久性・コストパフォーマンスに優れることから広く普及しましたが、補強材として使用されていたアスベストが健康被害の原因となることが判明し、2004年頃を境にノンアス製品へと移行しています。

石綿含有窯業系サイディングの多くはレベル3建材に分類され、飛散性は低いとされていますが、解体や加工によって粉じんが発生する可能性があるため、適切な処置が必要です。

見た目だけでは判断できないため、製造年代や品番をもとに調査を行うことが安全対策の第一歩となります。

アスベストサイディングの見分け方

アスベスト含有の有無は外観だけでは判断できず、誤った自己判断は健康被害や法令違反につながりかねません。

本章では「製造年代の確認」「メーカー品番やロット番号の照合」「石綿含有建材データベースの活用」「専門業者による成分分析」という四つの視点から、確実にアスベストサイディングかどうかを見極める手順を解説します。

信頼できる情報源と専門知識を組み合わせて、慎重に確認することが大切です。

製造年代

アスベストサイディングを見分ける際に、まず確認すべきポイントが「製造年代」です。

日本では2006年にアスベストの使用が全面禁止されましたが、それ以前の住宅には含有製品が使用されている可能性があります。

1970年代から1990年代半ばまでに建てられた住宅では、窯業系・金属系を問わずアスベスト含有のリスクが高いとされています。

1990年代後半以降、ノンアスベスト製品が増えてきたものの、移行期には旧製品との混在も見られます。

したがって、建築確認申請日や引渡し日だけでなく、実際の「外壁材の製造年」を特定することが重要です。

製品ロットや施工記録が残っていれば、それを手がかりに使用年代を絞り込むことが可能です。

メーカー製品名・ロット番号・品番

外壁材に記載されている「製品名」や「ロット番号」「品番」は、アスベスト含有の有無を判別する有力な手がかりになります。

多くのサイディングメーカー(例:ニチハ、ケイミューなど)は、過去の製品カタログや技術資料をもとに、アスベストを含む製品の一覧を公表しています。

たとえば、ニチハでは1980〜2004年頃の製品について、品番や施工時期をもとにアスベストの使用有無を確認できる資料を提供しています。

外壁材の端部や建物の図面、施工当時の工事写真に製品情報が残っていれば、それをもとにメーカーへ直接照会することも可能です。

品番の照合は自己判断ではなく、必ず公的データやメーカーの公式資料を参照するようにしましょう。

石綿(アスベスト)含有建材データベースサイト

国土交通省と経済産業省が共同で公開している「石綿含有建材データベース」は、アスベストの有無を調べるうえで非常に有用な公的情報源です。

このデータベースでは、建材の種類や製品名、製造メーカー、使用年代をもとに、アスベストが含まれていたかどうかを確認できます。

検索機能により、「サイディング」「ニチハ」「ケイミュー」などのキーワードから過去の製品情報を絞り込むことが可能です。

また、製品ごとに含有レベルや使用期間が明記されているため、解体工事や改修計画の判断材料としても活用できます。

データベースは無料で公開されており、誰でもアクセス可能なため、自己判断に頼らず、まずは公的資料に基づく確認を行うことが重要です。

専門業者による調査・分析

製造年代や品番、データベース情報だけではアスベストの有無を確定できない場合、最も確実な方法が「専門業者による調査・分析」です。

この調査では、外壁材から試料を採取し、分析機関で定性・定量分析を実施します。定性分析ではアスベストの有無を、定量分析では含有率を判定します。

調査には「建築物石綿含有建材調査者」や「石綿作業主任者」などの有資格者が対応する必要があり、結果は正式な報告書として提出されます。

リフォームや解体工事の際には、この分析結果が自治体への届け出や法令遵守に必要不可欠となる場合もあります。

アスベストサイディングの除去・処分費用

アスベストを含むサイディングの除去・処分には、通常の外壁材とは異なり、法令に基づいた専門的な作業と高額な費用がかかります。

まず、アスベストの有無を確認するための調査費用が約5万〜10万円ほど必要です。

レベル3の処分費用では、1㎡あたり3,000円が相場とされます。

これらの工事には自治体への届け出も必要なため、必ず石綿取り扱いの許可を持つ専門業者に依頼しましょう。

まとめ:アスベストサイディングは専門知識と慎重な対応が必要

この記事のまとめ!

  • 主に1970〜2004年に使用された外壁材で健康被害のリスクがある
  • 種類は「複合金属系」と「窯業系」がある
  • 見分け方は製造年代や品番、データベース検索、専門業者の分析が有効
  • 除去・処分には高額な費用と厳格な安全対策が必要
  • 専門知識のある業者への依頼が重要

アスベストサイディングは、過去に広く使用されていた建材でありながら、現在では健康被害のリスクから厳重な管理が求められています。

特に1970年代から2004年頃にかけて使用された外壁材にはアスベストが含まれている可能性が高く、外観だけでは判別できないため、製造年代や品番、専門データベースなどを活用した慎重な確認が必要です。

処分時には専門業者による調査・除去が法令で定められており、費用も高額になるケースがあります。

住まいの安全と健康を守るためには、正しい知識と信頼できる業者のサポートが不可欠です。

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