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外壁タイルは、高級感のある見た目と優れた耐久性から、戸建て住宅やマンションなどで根強い人気を誇る外装仕上げ材です。
従来はモルタルを下地に使用する「湿式工法」が主流でしたが、現在ではサイディングを下地として利用する「乾式工法」が増えています。
サイディング下地を採用することで、通気性や断熱性が向上し、施工の品質も安定しますが、一方で工期やコストの増加といったデメリットもあります。
この記事では、外壁タイル下地にサイディングを使用する工法の概要から、メリット・デメリット、採用時のポイントまで詳しく解説します。
これから外壁タイルを検討している方、モルタル下地との違いを知りたい方はぜひ参考にしてください。
株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
外壁タイルの施工方法には大きく分けて「湿式工法」と「乾式工法」があります。
湿式工法はモルタルを下地にしてタイルを接着剤やセメントで貼り付ける方法で、昔ながらの一般的な施工方法です。
しかし、モルタルは乾燥収縮や温度変化によりひび割れが起こりやすく、長期間の使用でタイルの剥離・落下につながることもあります。
一方で、近年採用が増えている乾式工法では、下地にサイディングボードやケイカル板などを使用し、専用の接着剤や金具でタイルを固定します。
モルタルを使用しないため、下地の収縮や膨張の影響を受けにくく、品質を安定させやすいのが特徴です。
さらに、サイディング下地工法では通気層構造を採用することが一般的です。
通気層を設けることで建物内部にこもる湿気を外に逃がすことができ、結露の防止や断熱性能の向上にもつながります。
木造住宅の場合には、構造用合板の上に防水シートと通気胴縁を設け、その上にサイディング下地を施工し、最後にタイルを貼り付けるという構成になります。
また、主要メーカー(例:ニチハやケイミュー)では、外壁タイル専用に開発されたボードが販売されており、従来のモルタル下地よりも軽量で、高い耐久性・耐火性を実現しています。
つまり、サイディング下地を使う外壁タイル工法は、建物の寿命を延ばしながら美観を長く保つための新しい施工方法として、近年の新築・リフォーム問わず多くの現場で採用されているのです。
外壁タイルの下地としてサイディングを使用することで、構造・性能・デザインの面で多くの利点があります。
以下では、代表的な4つのメリットを詳しく解説します。
サイディング下地を用いた外壁タイル工法では、通気層構造(通気工法)を採用できる点が最大の特徴です。
外壁内部と外気の間に空気の通り道を設けることで、壁内の湿気を外に逃がすことができ、結露の発生を防ぎます。
モルタル下地では湿気がこもりやすく、冬場に温度差で水分が凝縮して内部結露を起こすケースがありました。
これが長期的には断熱材の劣化や木材腐朽につながることもあります。
サイディング下地なら壁体内の通気が確保されるため、建物の寿命を延ばしつつ室内環境を快適に保つことができます。
さらに通気層があることで、断熱性のさらなる向上も期待できます。
これにより、夏の熱気や冬の冷気を遮断し、冷暖房効率を高める効果も得られます。
外壁タイルはもともと耐火性に優れた外装材ですが、サイディング下地を組み合わせることでさらに高い耐火構造を実現できます。
ニチハやケイミューなどのメーカーでは、国土交通大臣認定を取得した不燃材料・準不燃材料のサイディングボードを採用しています。
この構造により、火災時でも延焼しにくく、内部の構造材への熱伝導を抑えることができます。
また、モルタル下地と比較して、サイディング下地は施工のばらつきが少なく均一な厚みを保てるため、耐火性能が安定して発揮されるのも利点です。
サイディング下地を使用することで、タイルのサイズ・形状・貼り方の自由度が高くなるのも大きなメリットです。
メーカーによってはタイル模様のサイディングや石目調デザインもあり、デザインバリエーションも豊富です。
結果として、サイディング下地を採用することで美観と性能を両立したタイル外壁を実現できます。
モルタル下地の外壁タイルでは、下地のひび割れや吸水によってタイルが剥離することがあり、定期的な補修が必要でした。
一方、サイディング下地を用いる乾式工法では、モルタルを使わないため下地の収縮・膨張による剥離リスクが大幅に減少します。
さらに、通気層構造によって内部結露が起こりにくいため、下地や構造体の腐食も防げます。
タイル自体は耐候性が高く、定期的な洗浄や目地の補修を行うだけで30年以上の耐久性を維持できるといわれています。
このように、サイディング下地を採用することで外壁全体のメンテナンスコストを抑えることが可能になります。
多くのメリットがある一方で、サイディング下地の外壁タイルにはいくつかの注意点も存在します。
ここでは主な3つのデメリットを見ていきましょう。
サイディング下地を使う乾式工法は、モルタル下地に比べて施工工程が多くなる傾向があります。
まず、構造用合板の上に防水シートを張り、その上に通気胴縁、さらにサイディングボードを取り付け、最後にタイルを貼るという複数の工程を踏む必要があります。
そのため、サイディングだけの工事よりも工期が延びやすいのが現実です。
また、金具固定や専用部材を使うため、熟練した職人による施工が必須となります。
ただし、モルタルの乾燥期間が不要なため、総合的な工期は現場条件によって大きく変わる点も留意が必要です。
外壁タイル下地にサイディングを使用する場合、サイディングの上にさらにタイルを貼る二重構造となるため、一般的なサイディング外壁よりも全体の重量が増加します。
通常のサイディング外壁は、1㎡あたりおよそ10〜15kg程度の重量ですが、そこにタイルを施工すると、タイルと接着剤・金具などの重量が加わり、合計で1㎡あたり30kg前後になるケースもあります。
厚みのある磁器タイルや石調タイルを採用する場合は、その分さらに重くなります。
このように重量が増すことで、建物全体への負担が大きくなり、地震時の揺れへの影響や構造計算の見直しが必要になることもあります。
そのため、サイディング下地の上にタイルを貼る際は、設計段階から耐震性や下地の強度を確認することが重要です。
外壁タイル下地にサイディングを使う場合、初期コストが高くなるのは避けられません。
専用のサイディングボード(例:タイルベースサイディング)や固定金具、通気構造など、必要な部材や工程が増えるため、モルタル下地に比べて材料費・人件費ともに高くなります。
一般的に、モルタル下地の外壁タイル施工が1㎡あたり1.2〜1.5万円程度に対し、サイディング下地を用いた乾式工法は1.8〜2.5万円/㎡程度が目安です。
ただし、長期的に見ると、メンテナンス費用や再塗装の必要が少ないため、トータルコストではサイディング下地の方が経済的になるケースもあります。
この記事のまとめ!
- サイディング下地を用いたタイル外壁は乾式工法で剥離リスクが低い
 - 通気層構造により結露・断熱・防火性能が向上
 - 工期やコストは増加するが、長期的な維持費は抑えられる
 - メーカー推奨の施工仕様と専門業者の技術が重要
 
外壁タイルの下地にサイディングを採用することで、結露防止・断熱性向上・耐火性・メンテナンス性といった多くの利点を得ることができます。
モルタル下地のようなひび割れや剥離のリスクを低減し、美しい外観を長く維持できるのは大きな魅力です。
一方で、工期の長さや初期コストの高さ、重量増加などのデメリットもあるため、建物構造や予算、施工条件に合わせた選択が重要です。
外装リフォームはクロスの張り替えのような工事とは違い、足場を設置した大掛かりな工事です。
そのため、リフォーム工事の中でも比較的高額な費用が発生する工事になります。
リフォーム費用を抑えるためには、以下のような方法があります。
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