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浴室は毎日のように大量の水や蒸気にさらされるため、家の中でも特に防水性能が重要とされる場所です。
もし防水処理が不十分であれば、床下への漏水や構造体の腐食、さらには階下への水漏れトラブルに発展することも少なくありません。
こうしたリスクを未然に防ぐために注目されているのが「浴室ウレタン防水」です。
液体状のウレタン樹脂を塗布することで、防水性の高いシームレスな膜を形成できるこの工法は、複雑な浴室形状にも柔軟に対応でき、耐久性やメンテナンス性にも優れています。
本記事では、浴室にウレタン防水を施すメリットや特徴、費用相場、施工手順、注意点までを徹底的に解説します。
浴室のリフォームや防水対策を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
浴室の防水対策として広く採用されている「ウレタン防水」。
在来工法の浴室や水漏れのリスクが高い住環境では、効果的な防水処理として注目されています。
この章では、ウレタン防水の基本的な仕組みや特性、なぜ浴室に適しているのかといったポイントを解説します。
また、他の防水工法との違いも紹介しながら、浴室にウレタン防水を採用するメリットを分かりやすく説明していきます。
ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して硬化させることで、継ぎ目のない防水膜を形成する工法です。
最大の特徴は、高い柔軟性と密着性にあり、凹凸が多く複雑な形状の場所にもムラなく施工できる点です。
浴室のように配管や排水口、段差などが多い環境においても、下地にしっかり追従して防水層を形成できるため、漏水を効果的に防げます。
また、軽量で建物への負担が少なく、トップコートを塗り直すことで防水機能を維持できるため、メンテナンス性にも優れています。
改修時には既存の防水層を撤去せず重ね塗りが可能なケースも多く、施工性の高さも魅力です。
これらの点から、浴室やバルコニーなどさまざまな箇所で幅広く活用されています。
浴室に使用される主な防水工法には「FRP防水」「ウレタン防水」「シート防水」の3種類があります。
まずFRP防水は、ガラス繊維に樹脂を浸透させて固めることで高い強度と耐久性を発揮します。
ユニットバスなどに多く使われますが、硬化後は伸縮性に乏しく、ひび割れが生じやすい点が弱点です。
次にウレタン防水は、液体のウレタン樹脂を塗布して硬化させることで継ぎ目のない防水層を形成でき、複雑な形状にも柔軟に対応します。
最も一般的で、在来工法の浴室に適しています。
最後にシート防水は、防水シートを床や壁に貼り付ける工法で、施工スピードが早くコストも抑えやすいのが特長です。
ただし、継ぎ目からの漏水リスクがあり、施工には高い精度が必要になります。
それぞれの特性を理解し、浴室の形状や目的に応じて最適な工法を選ぶことが大切です。
浴室にウレタン防水を施す場合の費用は、工法や下地の状態、施工面積によって異なります。
一般的な費用相場は、密着工法で8,000~12,000円/㎡程度です。
例えば、3㎡程度の在来浴室に密着工法を用いる場合、施工費はおおよそ30,000~50,000円が目安となります。
これに加えて、下地補修費や養生費、トップコート費用などが別途必要になるため、見積もり時には「何が含まれているか」を必ず確認することが大切です。
また、使用する材料の種類やグレード、防滑シート処理の有無によっても金額は前後します。
複数業者に相見積もりを依頼し、工法の違いやアフターサポートの内容まで比較検討することで、適正価格での施工が実現できます。
ウレタン防水はその柔軟性と施工性の高さから、複雑な形状を持つ浴室にも対応できる工法です。
しかし、正しい手順と技術をもって施工しなければ、効果を十分に発揮することはできません。
この章では、浴室にウレタン防水を施す際の一般的な工程を4つのステップに分けて解説します。
洗浄や下地処理からプライマー塗布、防水層の塗布、そしてトップコートの仕上げまで、施工の流れを順を追って確認しましょう。
ウレタン防水施工において最も重要ともいえるのが、最初の「洗浄・下地処理」です。
防水材がしっかりと下地に密着するためには、表面の汚れや油分、ホコリ、旧塗膜などを完全に除去し、清潔な状態に整える必要があります。
高圧洗浄機やワイヤーブラシを用いて丁寧に洗浄した後、下地のひび割れや欠損がある場合は補修材で平滑に整えます。
また、コンクリートやモルタルの乾燥状態もチェックし、必要に応じて含水率を下げる措置を取ります。
この工程が不十分だと後の防水層が剥がれる、膨れるといった施工不良の原因になります。
防水性能を最大限に引き出すためにも、下地処理は丁寧かつ慎重に行うことが求められます。
下地処理が完了したら、次に行うのが「プライマー塗布」です。
プライマーとは、ウレタン防水材と下地の接着性を高めるための下塗り材で、防水材がしっかりと密着するためには欠かせない工程です。
プライマーは専用のローラーや刷毛を使い、下地全体にムラなく均一に塗布することが重要です。
塗り残しや重ね塗りによる厚みの差があると、後の防水層が浮いてしまう原因になります。
また、プライマーは乾燥時間をしっかり確保し、完全に乾いてから次の工程に進む必要があります。
湿った状態でウレタン防水材を塗布してしまうと、密着不良や膨れが発生する可能性があるため、気温や湿度にも注意しながら適切な養生を行うことが大切です。
プライマーが乾燥したら、いよいよ「ウレタン防水材の塗布」に進みます。
ウレタン防水は基本的に2回塗りで行われ、1層目を塗布して硬化させた後に2層目を重ねることで、十分な膜厚と防水性能を確保します。
ローラーやヘラを使って丁寧に塗り広げ、特に立ち上がり部や排水まわりなどの水が溜まりやすい箇所は厚めに塗布します。
1層目が乾く前に2層目を塗ると硬化不良を起こす恐れがあるため、それぞれの塗布工程でしっかりと乾燥時間を設けることが重要です。
また、室内施工では臭気の問題にも配慮し、換気を徹底することも忘れてはなりません。
適切な塗布厚さ(1.5~2.0mm程度)と均一な仕上がりが、防水層の長寿命化につながります。
ウレタン防水層の塗布が完了し、十分に硬化した後に行うのが「トップコート仕上げ」です。
トップコートは防水層を紫外線や摩耗、洗剤や石けんなどの日常的な刺激から守る役割があり、防水層の寿命を延ばすためには欠かせない工程です。
塗布はローラーなどで行い、膜厚を均一に保つよう注意しながら仕上げます。
トップコートが完全に乾くまでには数時間から1日程度を要するため、使用開始までのスケジュールも考慮する必要があります。
仕上げの品質が最終的な見た目や耐久性に直結するため、ここでも丁寧な作業が重要です。
ウレタン防水は優れた防水効果を発揮する一方で、施工環境や扱い方を誤ると、かえって不具合やトラブルを招いてしまう恐れがあります。
浴室は湿気や使用頻度が高いため、注意すべきポイントがいくつか存在します。
この章では、DIYによる施工のリスクや施工後の養生期間の重要性、さらには施工中に発生しやすい臭気による近隣トラブルへの配慮など、事前に知っておくべき注意点を詳しく紹介します。
ウレタン防水は一見すると塗るだけの簡単な作業に見えるかもしれませんが、実際には下地処理の精度、塗布の厚み、乾燥時間の管理など、専門的な知識と経験が求められる非常に繊細な工法です。
浴室のような常に湿気にさらされる場所では、わずかな施工ミスが後の漏水や膨れ、剥がれといった深刻なトラブルを引き起こします。
DIYで対応しようとしても、材料選定や乾燥時間の見極め、臭気の管理などが難しく、結果として再施工が必要になるケースも少なくありません。
防水工事は「施工不良=すぐに水が漏れる」可能性があるため、信頼できる防水専門業者に依頼することが最も確実で安全な方法です。
施工保証やアフターサービスがある業者であれば、施工後も安心して浴室を使用できます。
ウレタン防水の性能を最大限に発揮させるためには、塗布後の乾燥および硬化のための「養生期間」をきちんと確保することが重要です。
1層目の塗布後、完全に硬化するまでに数時間から半日以上、2層目とトップコートを含めると、施工完了から使用可能になるまでに最低でも24〜48時間程度の乾燥時間が必要です。
乾燥が不十分なまま使用してしまうと、防水層が剥がれたり膨れたりする原因となり、せっかくの工事が台無しになります。
また、気温や湿度によっても硬化時間が左右されるため、季節や天候にも注意が必要です。
浴室は頻繁に使用される場所なので、事前に家族全員で使用スケジュールを調整しておくことが、スムーズな施工と長持ちの秘訣となります。
ウレタン防水材やトップコートには、施工中に特有の強い臭気(シンナー臭など)を発する製品が多くあります。
屋外ならまだしも、密閉性の高い浴室で施工を行う場合、室内全体に臭いが広がる可能性が高く、家族だけでなくマンションなどでは隣接住戸とのトラブルにも発展しかねません。
とくに換気が不十分な場合や、臭気に敏感な住民がいる場合は、事前の配慮が重要です。
施工前には近隣への通知や掲示を行い、あらかじめ防水工事の実施日と内容を伝えておくことで、不要な誤解や苦情を避けることができます。
また、臭気の少ない水性材料や低臭タイプの防水材を選べるかどうかも、業者に相談してみるとよいでしょう。
「見えないリスク」に配慮する姿勢が、トラブルを防ぐカギになります。
この記事のまとめ!
- ウレタン防水は柔軟性と密着性に優れる
- DIY施工はリスクが高いので避ける
- 防水専門業者への依頼が安全で確実
- 臭気対策や養生期間の確保が重要
浴室は日常的に大量の水を扱うため、防水対策は住まい全体の耐久性を守るうえで欠かせません。
ウレタン防水は高い密着性と柔軟性で、複雑な形状の浴室にも適応できる優れた工法です。
施工は専門業者に任せ、養生や臭気対策を含めた正しい工程を守ることで、長期的な安心につながります。
外装リフォームはクロスの張り替えのような工事とは違い、足場を設置した大掛かりな工事です。
そのため、リフォーム工事の中でも比較的高額な費用が発生する工事になります。
リフォーム費用を抑えるためには、以下のような方法があります。
- 複数業者から相見積もりを取得して価格を比較する
- 国や自治体の補助金・助成金制度を活用する
しかし、ひとくちに業者といっても無数に存在するため、どの業者を選べば良いのか迷っているという方も少なくありません。
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