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住宅の屋根材として人気の高いガルバリウム鋼板ですが、「失敗した」「思っていたのと違った」と後悔するケースもあります。
特に施工ミスや環境に合わない選定をすると、雨漏りや暑さ、塩害などのトラブルが発生しやすくなります。
本記事では、ガルバリウム鋼板屋根のメリットを解説するとともに、よくある失敗例と原因、後悔しないためのポイントを詳しく解説します。

株式会社ライフ総建 取締役
佐藤 勇太
さとう ゆうた
塗装工事や屋根修理、防水工事をメインに東京都八王子市で外装リフォーム専門店を経営。地域に根付く専門店として3000棟以上の施工実績あり。
近年、住宅や倉庫の屋根材として人気が高まっているガルバリウム鋼板屋根。
その理由は、軽量で耐久性に優れデザイン性も高いことにあります。
しかし、ガルバリウム鋼板屋根の特徴を理解せずに導入すると、「思っていたのと違った」と後悔することもあるので注意が必要です。
まずは、ガルバリウム鋼板屋根の基本的な特徴とメリットについて詳しく解説します。
ガルバリウム鋼板は、スレートや瓦と比較して圧倒的に軽量な屋根材です。
例えば、瓦屋根の重量は約60kg/㎡、スレートは約20kg/㎡ですが、ガルバリウム鋼板は約5kg/㎡しかありません。
軽量な屋根は、建物の耐震性向上にもつながります。
地震時に屋根が重いと揺れが大きくなり、建物に負担がかかりますが、軽量なガルバリウム鋼板なら負担を軽減できます。
ガルバリウム鋼板は、アルミニウム・亜鉛・シリコンの合金メッキで構成されており、通常の鉄板より3〜4倍の耐久性を誇ります。
メンテナンス次第では30年以上の寿命を保つことも可能です。
ただし、完全に錆びないわけではないため、塗装メンテナンスや錆の点検が必要です。
ガルバリウム鋼板は、カラーバリエーションが豊富で、モダンな住宅に適したデザインが多くあります。
また、横葺き・縦葺きなどのデザインの違いや、フラットな形状の屋根も選べるため、外観の美しさを重視する方に人気です。
ガルバリウム鋼板屋根は、瓦屋根よりも施工費用が安いのも魅力の一つです。
例えば、「カバー工法」という既存屋根の上に新しい屋根をかぶせる施工を採用すれば解体費用を抑えられるため、コスト削減が可能です。
ガルバリウム鋼板屋根は優れた性能を持つ一方で、施工方法や設置環境によってはトラブルが発生することもあります。
実際に「雨漏りが発生した」「屋根裏が暑すぎる」「思ったより耐久性が低かった」などの失敗談を耳にすることも少なくありません。
ここでは、ガルバリウム鋼板屋根でよくある失敗例とその原因を解説し、導入時の注意点をお伝えします。
施工ミスが原因で、ガルバリウム鋼板屋根から雨漏りすることがあります。
特に以下のような施工不良が雨漏りの原因になります。
- ルーフィング(防水シート)の施工不良
- 屋根材のビス固定のミス
- コーキング不良による隙間
適切な防水施工がされていないと屋根材の下に水が入り込み、野地板(下地)まで腐食してしまう可能性があります。
屋根本来の機能性を確保するためにも、経験豊富な屋根工事業者に依頼することが重要です。
ガルバリウム鋼板は金属製のため、雨が当たると音が響きやすいというデメリットがあります。
特に断熱材や遮音材を入れずに施工した場合、強い雨が降ると屋内で音が反響し、生活の快適性が損なわれることがあります。
対策としては、屋根材の下に防音シートを敷く、断熱材一体型のガルバリウム鋼板を採用する、天井裏に吸音材を設置するなどの方法が有効です。
施工前に雨音対策を検討し、快適な住環境を確保しましょう。
ガルバリウム鋼板は金属製のため、日差しを受けると熱を吸収しやすく、屋根裏が高温になりやすい特徴があります。
特に断熱処理が不十分だと夏場の室温が上昇し、冷房効率が低下することがあります。
対策としては、遮熱塗装を施している屋根材を使用する、断熱材付きの屋根材を使用する、屋根裏換気を強化するなどが有効です。
適切な断熱対策を講じることで、ガルバリウム鋼板のデメリットを最小限に抑えられます。
ガルバリウム鋼板は通常の鉄より耐食性に優れていますが、海沿いの地域では塩害の影響を受けやすく、サビが発生するリスクがあります。
潮風に含まれる塩分が屋根に付着し、長期間放置すると腐食が進み、耐久性が低下します。
対策としては、耐塩害仕様の高耐久ガルバリウム鋼板を選ぶ、定期的に水洗いをする、塗装メンテナンスを行うなどが挙げられます。
海沿いの住宅では、特に耐久性を考慮した材料選びが重要です。
ガルバリウム鋼板の防水性は、屋根の下に敷くルーフィング(防水シート)によって大きく左右されます。
安価なルーフィングを選ぶと耐久年数が短くなり、10年未満で劣化してしまうこともあります。
ルーフィングが劣化すると、屋根からの雨漏りリスクが高まるため、耐久性の高い改質アスファルトルーフィングなどを選ぶことが重要です。
コスト削減のために安価なルーフィングを選ぶと、長期的な修繕コストが増える可能性があるため注意しましょう。
ガルバリウム鋼板屋根は、適切な排水設計がされていないと、水が滞留し、腐食の原因となります。
特に勾配が緩すぎると水がスムーズに流れず、長期間水が溜まることで、屋根材が劣化しやすくなります。
また、雨樋の詰まりによっても水が溜まりやすくなるため、定期的な清掃とメンテナンスが必要です。
適切な勾配設計や排水経路の確保を行い、水分が滞留しないようにすることが、屋根の長寿命化につながります。
ガルバリウム鋼板屋根を導入する際、事前の知識と適切な選択をすることが失敗を防ぐカギとなります。
特に施工会社の選定や、適切な施工方法・屋根材の選び方が重要です。
また、長く快適に使うためには適切なメンテナンス計画も欠かせません。
ここでは、失敗しないためのポイントを詳しく解説しつつ、ガルバリウム鋼板屋根を後悔なく選ぶためのコツをお伝えします。
ガルバリウム鋼板屋根は、軽量で耐久性が高い優れた屋根材ですが、遮音性・断熱性が低い、錆びる可能性がある、施工次第で雨漏りのリスクがあるといったデメリットも存在します。
これらを事前に理解せずに採用すると、「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。
後悔しないためには、デメリットを正しく把握し、それに対する適切な対策を施すことが重要です。
適切な知識を持ち、長期的な視点で最適な屋根選びをしましょう。
ガルバリウム鋼板屋根の性能を最大限に活かすには、経験豊富な施工会社を選ぶことが不可欠です。
不適切な施工をされると、雨漏りや屋根材の浮き、固定不良による強風時の飛散などのトラブルにつながります。
施工会社を選ぶ際は、過去の施工実績を確認し、保証内容やアフターサポートが充実しているかをチェックしましょう。
また、口コミや評判を参考にすることも非常に効果的です。
ガルバリウム鋼板屋根の施工方法には、既存屋根の上に新しい屋根をかぶせる「カバー工法」と、古い屋根を撤去して新たに施工する「葺き替え」の2種類があります。
カバー工法はコストを抑えられる一方、下地が傷んでいる場合は適さないため、状態の確認が必要です。
葺き替えは耐久性が向上するものの、撤去費用がかかるデメリットもあります。
どちらが適しているか、建物の状況に応じて慎重に選ぶことが大切です。
ガルバリウム鋼板屋根を長く快適に使うためには、設置環境や屋根の形状に適した屋根材を選ぶことが重要です。
例えば、海沿いでは耐塩害仕様のガルバリウム鋼板を使用しないと、錆が発生しやすくなります。
また、屋根の勾配が緩い場合は、雨水が滞留しないように適切な防水対策を施す必要があります。
さらに遮熱性や防音性を強化したガルバリウム鋼板を選ぶことで、夏の暑さや雨音の問題を軽減できます。
適材適所の選定が、快適性と耐久性を左右します。
ガルバリウム鋼板屋根は耐久性が高いものの、定期的なメンテナンスを怠ると劣化が早まる可能性があります。
特に塩害地域では錆の発生を防ぐための水洗いが必要です。
また、シーリングの劣化やルーフィングの状態を定期的に点検し、必要に応じて補修や再塗装を行うことで屋根の寿命を延ばせます。
一般的に1年ごとの点検が推奨されており、適切なメンテナンス計画を立てることが重要です。
この記事のまとめ!
- 施工不良や環境による劣化で雨漏り・暑さ・塩害・腐食などの問題が発生することがある。
- 施工会社の選定や適切な施工方法(カバー工法・葺き替え)の選択が重要。
- 環境や屋根形状に応じた適切な屋根材を選び、デメリットを事前に理解することが大切。
- 定期的な点検・メンテナンスを実施することで、屋根の耐久性と快適性を維持できる。
ガルバリウム鋼板屋根は、軽量・高耐久・デザイン性に優れた屋根材ですが、施工不良や環境に合わない選定をすると、雨漏りや暑さ、塩害などの問題が発生することがあります。
失敗しないためには、適切な施工方法・屋根材選び・メンテナンスが重要です。
後悔しないためにも、信頼できる業者に依頼し長期的な視点で屋根を選びましょう。